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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第23章 "師"


「本当は二人、とても仲が宜しいのに…」

土方と山南の付き合いも長い…
お互い知らぬ仲でもあるまいに、結局立場という物が邪魔をして、衝突する事になってしまう……

そう思いながら、少しだけ切なそうに庭を眺める…


「・・・・・・橘…」

意外な瑠衣の表情に、山崎は心境複雑な気分になってしまう…

儚く居なくなりそうな、切ない瑠衣の表情…
それが山崎の心の中にあるものに、火を点けてしまう事に……


「‥橘っ!!」

「えっ??」


『ドンッ!!』


瑠衣の腕を掴み、壁に瑠衣を押し付ける山崎…
瑠衣は山崎に囲まれて身動きが取れない…


「山崎さん?」

自分より少し背が高い山崎を、瑠衣は少し見上げる様に視線を合わす…


「そんな顔‥せんといてや…」

何故か山崎の方が辛そうに話す…

「そんな切なそうな顔せんといてや‥
‥居なくなりそうやで……」

山崎の方が切なそうな顔をしている…
瑠衣はそう思ってしまう……


「山崎さんの方が、切なそうな顔をしていますよ?」

「・・・
橘……
お前、何処まで天然なんや‥」

「?????」

瑠衣は訳が分からないという顔で、首を傾げて山崎を見ているのが、山崎の心の火を更に燃え上がらせる結果に…


「……
あぁぁーっ!!
‥沖田はんにも、そんな顔するんか…??」

「へっ???」

「わてが何時もどんな思いで橘を治療してたか分かるか!?
治療第一だと思うて目ぇ背けてきた…
けどなぁ…!!」

一度溢れた思いは、もう止まらない…
山崎はそのまま瑠衣の唇を奪う!!


「んっ!?…んんっ!!」

更に、壁の隣の空き部屋の障子を開け、山崎は其処に瑠衣を引き入れ押し倒した!!

両手首を頭の上で一括りにされ、更に瑠衣の体の上に山崎が覆い被さっているので、起き上がる事も動く事も出来ない…


「山崎さん…どう‥して…」

「橘が沖田はんのものじゃ無かったら…
わいはっ……!!」

山崎はもう一度唇を押し付けて来る…

「んっ…はぁはぁ…あっ!!」

息をしようと唇を少し開いた瞬間に、山崎の舌が瑠衣の中に入って来た!


「んあっ…あんっ…あぁ!」

逃げる舌を追い掛けられ、絡み取られ吸い上げられる…

「はぁ…橘…んっ…」

息が苦しくなるまで奪われ、激しさを増す口付け…
逃げようにも、手首を掴まれていて動けない…
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