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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第24章 "山"


「んーー
これは自分達では無理な物もありますね、一度副長に話をして、研ぎ師に出すかどうか考えましょう」

今は経済的に余り余裕の無い新撰組、土方の判断次第ではこのままという可能性もある。

「とりあえず埃だけ払って戻しますか」

こんな作業が夕方まで続く・・・・・







夜ー


「瑠衣、彼方に反応があります」

「はい、三匹‥気配で分かる距離ですよ」

師走に入り"鬼"の数もまた少しずつ増えつつある、師走の人々の忙しい負の感情のせいか、例の方陣の黒幕のせいか…

どちらとは言え無いが……


「総司、行きますよ」

「えぇ、分かっています」

刀を抜いて走る二人、余裕で"鬼"を瞬殺にし、水晶を拾う。


「そういえば…」

何を思ったのか、急に瑠衣が話を始めた…

「勿論一番隊も将軍様の警護に出ますよね、というより一番隊が出ないと始まりませんよね?」

「それは‥そうですね…」

一番隊は新撰組でも精鋭部隊、此処で使わないと何時使う??
土方が考えそうな事を考えている瑠衣なのだが…

「瑠衣、それがどうかしましたか?」

「・・・
いえ、何でも無いんです」

首を傾げる総司だが、相変わらず此方が言いたくない事は、無理には聞かない。


「さて総司、今日はまだまだ"鬼"の反応がありますよ」

「近い所から行きますか…」

寒空で雪降るこの日も"鬼"を退治に歩き回る二人の姿があった・・・







次の日ー


瑠衣は、ある決意の元、夕方の幹部棟の廊下を歩いていた…
目的の部屋の前で止まり、中へと声を掛ける。


「副長、橘です少々宜しいですか?」

「橘?
あぁ構わないぜ」

瑠衣は目的の人物‥土方の部屋に入った…


「なんだ?
話か??」

「はい…」

師走のせいで、何時もより三割増‥いやそれ以上か?
書類の山に埋もれて、仕事をしている土方の姿がある・・・

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