この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
木之花ノ夜想曲~夢語り~
第24章 "山"
「んーー
これは自分達では無理な物もありますね、一度副長に話をして、研ぎ師に出すかどうか考えましょう」
今は経済的に余り余裕の無い新撰組、土方の判断次第ではこのままという可能性もある。
「とりあえず埃だけ払って戻しますか」
こんな作業が夕方まで続く・・・・・
夜ー
「瑠衣、彼方に反応があります」
「はい、三匹‥気配で分かる距離ですよ」
師走に入り"鬼"の数もまた少しずつ増えつつある、師走の人々の忙しい負の感情のせいか、例の方陣の黒幕のせいか…
どちらとは言え無いが……
「総司、行きますよ」
「えぇ、分かっています」
刀を抜いて走る二人、余裕で"鬼"を瞬殺にし、水晶を拾う。
「そういえば…」
何を思ったのか、急に瑠衣が話を始めた…
「勿論一番隊も将軍様の警護に出ますよね、というより一番隊が出ないと始まりませんよね?」
「それは‥そうですね…」
一番隊は新撰組でも精鋭部隊、此処で使わないと何時使う??
土方が考えそうな事を考えている瑠衣なのだが…
「瑠衣、それがどうかしましたか?」
「・・・
いえ、何でも無いんです」
首を傾げる総司だが、相変わらず此方が言いたくない事は、無理には聞かない。
「さて総司、今日はまだまだ"鬼"の反応がありますよ」
「近い所から行きますか…」
寒空で雪降るこの日も"鬼"を退治に歩き回る二人の姿があった・・・
次の日ー
瑠衣は、ある決意の元、夕方の幹部棟の廊下を歩いていた…
目的の部屋の前で止まり、中へと声を掛ける。
「副長、橘です少々宜しいですか?」
「橘?
あぁ構わないぜ」
瑠衣は目的の人物‥土方の部屋に入った…
「なんだ?
話か??」
「はい…」
師走のせいで、何時もより三割増‥いやそれ以上か?
書類の山に埋もれて、仕事をしている土方の姿がある・・・
・