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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第24章 "山"
瑠衣は自室に戻り、今日の準備をしている総司に話掛けた。
「総司……
総司は暫く通常隊務です」
「はいっ!?」
突然降って湧いた隊務の話に、総司はどうしてと驚く!
「瑠衣、一体どういう事なのですか?」
「そのままの意味です、将軍様の警護が終わるまで、一番隊は通常隊務になります」
「・・・・・瑠衣は?」
総司は久しぶりの感の良さを発揮して来た…
こんな時にとは思うが、其処は綺麗に無視して話を進める。
「自分は夜専門になりますね、誰かがやらなければ成りませんから」
「…
一人ですか…?」
「はい」
その言葉にムッと来た総司は、瑠衣の腕を引き己に抱き込む!!
「一緒と‥言ったじゃ無いですかっ!!」
総司は少々興奮気味に瑠衣に話す…
「すみません…
ですが将軍警護には総司が必要なんです、其処だけは理解して下さい」
「けどっ…!」
「此から先、警護が終わるまで、多分副長達と共に会議の連続になると思います…
会津側も"剣豪沖田"はほうって置かないでしょう」
「それは………」
土方から再三話は来ていた、ただ今までは知らぬ顔で蹴っていたが、そろそろ、それも厳しくなって来ていたのは確かな事…
「ですから‥ね…」
「瑠衣はそれで良いのですか?」
「総司は分かっていると思いますが、私は表には余り出れません、ですから裏で良いんですよ」
総司は強く瑠衣を抱き締める…
"一緒"‥そう言った筈なのに、現実はそうもいかない、自分が新撰組一番隊隊長である限り……
「・・・
お願いですから無茶はしないで下さい」
瑠衣はそんな総司の胸に頬を付ける、気持ちは十分分かっているから…
「勿論です」
二人は見つめ合い、誓い合う様に触れ合うだけの口付けを交わした・・・・・
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