この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
木之花ノ夜想曲~夢語り~
第24章 "山"


「…
冗談です、すみません………」

やり過ぎた‥本当にすまなそうに肩を竦める。


「ほんま…
始の頃の強気な橘は何処いったんや…」

「強気ですか?
意外と今の自分の方が、本当なのかも知れませんね…」

相変わらず、山崎を見ず遠くを眺めて話す…

「どういう事や?」

「そのままの意味ですよ、総司は副長には話したと言っていましたが…
自分は此処に来るまで、余り感情って無かったんです…」

どうして今、山崎に話す気になったんだろうか…??


「感情が無い!?」

「…
言い方が悪かったですね、感情があるのを忘れてた…
そう言った方が正確ですか…」

一体、橘には何があるんだ??

驚きが隠せない、山崎はそう思って、動揺だけは必死に隠している。


「本当に忘れてたんですよ…
そういう生活だったのもあるんですけどね、感情の無い人形‥出された情報を正確に判断し、的確に指示を出す、そんな自分に何にも疑問も浮かばなかった…」

「・・・・・」

山崎は、ただ無言で瑠衣の話を聞いている、問う間も無いのだ。


「けど、新撰組に来て、みんなの個性的な感情に触れて、あぁこんな感情もあったなぁって…
それを一番教えてくれたのは、総司なんですけどね…」

「沖田はん??」

「えぇ、勿論楽しいとか、嬉しいとか基本的な感情はありましたが、曖昧な感情ってのが分からなくて…
それを根気よく教えてくれたんです」

「…そうか…
で、今はどうや?」

「今ですか?
…大分感情的になったと思いますよ…
自分でも驚くくらいに…」

多分、自分が女だと分かっている山崎だからこそ、知っていて欲しい…
そんな事を思う自分が何処かにいる。


「余計な話をしました…
さて仕事しますかぁーっ!!」

瑠衣は鏡を見"鬼"の位置を確認し全て覚える…

そして山崎に質問される前に"神足"を使い"鬼"に向かう為に、屋根の上から飛び降りた…!!


「お…
おいっ!?」

置いていかれた山崎は、瑠衣を追い掛けるのに必死だ!

自分が遅いんじゃ無い、相手が速すぎる!!

瑠衣が向かった方向を、鏡で確認しながら進むが、次々と光が消えていく…


「冗談やろ…」

四半刻も経たない内に"鬼"の反応は全て消えてしまっている。

始め‥鏡には十個以上の光があった筈…
それをこの短時間で、全て始末してしまった・・・
/735ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ