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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第6章 "同"
やはりその目は真剣そのもの、自分の覚悟を相手に返すかのように鋭い目で見ていた・・・
「「・・・・・・・・」」
瑠衣の目を見、その意気込みが本気と分かり総司は密かに肩の力を抜く…
「では部屋に案内しますね、何時までも客間という訳にはいきませんものねぇ
あぁ、布団がありませんねぇーどうしましょうか?」
「あぁ‥原田にでも持って行かせる」
土方は一区切りついたと言わんばかりに、さっさと部屋を出て行った
(原田さん、ご愁傷様…)
今頃部屋で酒でも呑んでいるであろう原田に総司は心の中で謝っておいた…
ご愁傷様が謝る言葉かは、本人が知るのみである・・・・・
「とりあえず荷物を持って付いて来て下さい」
総司は立ち上がり改めて瑠衣を見る…
荷物と言っても風呂敷一包み程度しか無い、後は大刀一本…
「橘さん、脇差しは?」
武士であるなら大刀と脇差しを持って普通である
「えっ?
…あぁ…ありません」
普段から朱桜刀一本(と言っても現代では必要以外は時空間に留めているが…)しか持っていない…
必要性を感じない為である。
「ですが、やはり示しがつきませんねぇー
私も予備はありませんし、土方さんなら持っていますかね?」
「あのっ…必要なら買います、それ位の金子なら持ち合わせいますから、とりあえず次の非番の日に街に出てみます」
外宮で必要最低限の着物と生活品、多少の金子は貰っているので脇差し一刀位は買えるだろう
「では、明日私非番ですし良い刀を売ってる所知っていますから、一緒に行きましょう」
「は‥はい……」
目を輝かせて話す総司に嫌とは言えず、明日の約束をしてしまった
「ですが沖田先生、その横腹で動けるのですか??」
自分のせいでもある青痣、とても一日で治る痣とは思えない…
「歩くだけなら平気ですよ、ちゃんと此処まで歩いて来たじゃないですか」
事も無げに言う総司に土方ではないが眉間に軽い皺が寄ってしまう
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