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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第24章 "山"
己の本能の命ずるままに、無感情に歪みである"鬼"を捜索し倒す…
また一匹…
そしてまた次を探す…
それを明け方まで繰り返して・・・・・・・・・・・・・・・
朝ー
朝の日の光に総司は目が覚めた。
隣には、朝帰りの瑠衣がぐっすりと眠っている…
(はぁ、今日もですか…)
手早く着替え、静かに部屋を出る…
今日も昨日と同じく藩邸で会議である。
こう‥適当に朝の顔合わせと朝餉を済まし、昨日の報告をしに土方の部屋へと足を向けた…
「総司か?」
「えぇ、昨日の報告にと…」
「あぁ、毎日すまねぇな」
「いえ、ついでに会津藩邸で稽古も付けてますので…」
「頼むから馬鹿はやるなよ」
「分かってますよぉー」
にこやか笑顔で、のらりくらりと答える総司を見て、土方はまた渋い顔…
(…
まさか…
こっちもか?)
昔から、総司は笑顔で自分の心を隠す一面がある…
橘といい総司といい…
少々不味い状態になってはいないか??
一抹の不安が土方の頭を掠める・・・・・
「で話は平行線なんですがね…」
「あ…あぁ……」
「もう、土方さん聞いていますかぁ??」
むっすりと頬を膨らませて総司は言う。
「聞いている、なに上なんてそんなもんだ…」
「面倒ですねぇー」
(…こりゃ本格的に不味いな…)
総司も橘も何処かおかしい…
一度話をする時間でも作ってやらないと、ドンドン悪化しそうな予感がする……
「では私はこれで…」
「総司っ、ちょっと待て!!」
「?
何ですか??」
「最近、橘と話はしてるか?」
「??
仕事の話ならばしてますが?」
「そうじゃねぇ、普通に会話してるかって聞いてんだ」
「普通…
ですか??」
疑問に総司が不思議そうに首を傾げる…
「個人的には無い‥ですね、殆どすれ違いなので」
「暇な時で良い、一度橘と話をして見てくれ、どうも様子がおかしい…」
土方は何時もの如く頭を掻く、これは間違いなく不味い、何かある前に手を打たなければ…
兎に角、二人が普通に話でもすれば…
「…瑠衣がですか?
分かりました、時間作って話してみます…」
「あぁ‥頼んだ」
「では…」
総司は首を傾げながら、土方の部屋を出て行く・・・
(総司お前ぇもだよ…)
普段なら橘優先の奴が、時間作ります??