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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第24章 "山"
煙管を加え、二人の変化に溜め息を吐き出す土方であった・・・・・
自室に戻り、藩邸に行く為に、また着替えを始める総司、まさか正式な場所に着流し姿と言う訳にもいかず、キッチリと羽織り袴を着る。
(はぁー
肩が凝りそうです…)
馴れない会議に、会津藩士相手の稽古…
何か言う訳にもいかず、暴走する訳にもいかず…
実は気を使い過ぎて、かなり疲労困憊気味だったりする…
つくづく表向きの仕事は性に合わない‥今回の事で嫌な程実感したが、将軍警護が終わるまで解放して貰えないだろう……
しかし、それを愚痴る訳にもいかず、つい何時もの笑顔で心の内を隠してしまう。
(そういえば土方さんが、瑠衣の様子がおかしいと言ってましたね…)
眠っていて一向に起きない瑠衣、此方も疲れているのだろうと総司は思う、だからおかしいと見えるのでは??
何時もの感の良さも、こう多忙だと働かないらしい、だからこの時、瑠衣の変化を見逃してしまう結果に…
これが後で後悔する事になるのだが……
総司は瑠衣を起こさないように部屋を出て、一人会津藩邸へと向かった・・・・・
昼過ぎー
瑠衣は昼餉を貰いに、炊事場へと足を運んでいた…
「おぅ橘!!」
お気楽な口調で、山崎が瑠衣を呼び止めた‥が…
「どうかしましたか?」
山崎の言葉に振り返る瑠衣、だがその表情を見て山崎は固まってしまう…
「あーいや…
此から昼餉かいな?」
「はい、昼餉が終わり次第、報告書を作成して、副長に回しますが??」
「そ…
せやな、邪魔して悪かった」
「いえ、では自分は此で…」
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