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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第24章 "山"
夜ー
今日も屋根の上を飛び回る瑠衣、順調に"鬼"を始末して行く…
其処に感情は無い、ただ任務を無意識に遂行しこなすだけ………
(はぁー
会議遅過ぎですよぉー)
此方、やっと長い会議から解放された総司は、屯所に戻るべく街中を歩いていた…
……と其処に…
"とんっ"
『ザシュ…』
『ギャャャー!!』
どうやら瑠衣が"鬼"の始末をしているらしい、音からして意外に場所が近い…
総司は疲れている体を無理に動かし、瑠衣の居る現場まで走った!!
少し走った場所で、刀を片手に無表情に"鬼"の水晶を見詰めてる瑠衣に出くわした……
「!!??」
人の気配を感じて此方を向く瑠衣、その瞳は恐ろしい程に無表情に無感情…
土方がおかしいと言っていたのは、この事だったのか!!
「瑠衣っ!!」
その言葉に反応し、瑠衣は総司の方にしっかりと振り向いた。
「どうかしましたか沖田先生?
このような時間まで会議でしたか??」
"沖田先生"…
総司とは呼ばない…
やはり何かが変だ!?
「瑠衣、何かありましたか?」
瑠衣は模範のように刀を鞘に収め、目の前の総司を見る。
「別に何もありませんが…
隊務は全てこなしています」
まるで意思の無い人形のよう‥けど何故こうなった??
もう少し気を付けていれば、こんな事にはならなかったのではないのか??
後悔しても始まらない、今は瑠衣をどうにかする方が大切だ!!
「兎に角、此方に来て下さいっ!!」
総司は思い立ち、急に瑠衣の手を引き歩き出す…
「何処へ行くのですか沖田先生!?」
手を引かれているので、仕方無くだが総司に付いて行く瑠衣だが、其処に何故という言葉すら無い。
暫く歩き、街の中心から少し離れた鬱蒼とした竹林へと入って行く二人・・・・・
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