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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第24章 "山"
竹林を少し歩いた所でやっと止まった総司、そして瑠衣の方に向き直る・・・
「一体何がありました?」
瑠衣の両肩に手を掛けて、注意深く問いただす…
「別段普通ですが?」
「それが瑠衣の普通ですか?」
「はい」
感情がまるっきり無い…
原因は??
思い切って、総司は瑠衣を抱き締める……
「瑠衣…
今どう思いますか?」
瑠衣は少し困惑した顔を浮かべてはいるが…
「沖田先生に抱き締められてますね…」
「総司です、何時も瑠衣が言っているでしょう…」
「えっ…あ…?」
「・・・・・」
…このままでは埒があきそうにない、総司は仕方がなく強攻策に出た!!
「…瑠衣…」
頭の後ろを掴み、無理やり接吻するっ!!
「あ!?…んんっ…」
逃げようとしても、頭を押さえられているので逃げられない…
総司は執拗に何度も口付けを繰り返す…
「んあっ…はんっ…んんっ…」
開いた唇から舌を入れ追い掛け絡め、瑠衣の口内の全てを奪う…
「はぁ…瑠衣…正気に…戻って下さい…はぁはぁ…」
正気???
自分は……???
総司のその言葉に、幕末に来てから慣れ親しんだ感情や感覚が浮上し、瑠衣の心の中に戻って来た…
「んゃあん…総…司…んんっ…」
総司と、確かにそう呼んだ…
それを確認した後、ゆっくりと唇を離した……
「…瑠衣…?」
「あ…そ…総司…私は…」
「何がありました?」
もう一度瑠衣を抱き締め同じ質問を繰り返す…
今度は答えてくれる‥そう思う。
「えーと……
時間が空いて…
少し瞑想を…
しようと思い・・・あっ!!」
瑠衣の方は、やっと何かに気づいた様で・・・
「そうだ瞑想して、何時もの調子で感情を抑えていって…
あぁ…
そう言う事か…」
「もしかしてですが…
自己暗示に掛かった…と…?」
「はい…
すみません……
瞑想は、私が朱雀であるという意識を、確認させる為のものです…
ですから、瞑想で朱雀としての意識が中途半端に出ていたみたい‥です・・・」
これは自分が悪い、ガックリとうなだれて、かなりの自己嫌悪に陥ってしまう。
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