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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第24章 "山"


少し辛そうに手を離し、総司は屯所に戻る為に歩き出す……

残された瑠衣も屋根の上に登り、何時も通りに"鬼"の捜索を再開した・・・・・





この日の早朝ー


帰って来た瑠衣が、総司の布団に潜り込んで寝むってしまった。

やはりこの温もりが無いと、お互い不安定になるようである・・・




総司は心地良い温かさに、まだ眠っていたい衝動に駆られながらも、なんとか目を覚ました…


「ん……」

温かいと思ったら、瑠衣が自分の布団に入り込んで寝っていた。


(クスッ…
何時もは逆なのですけどねぇー)


総司の胸の中で、丸くなって眠っている瑠衣…
その仕草に、つい総司の頬も緩んでしまう……


(起きたくありませんねぇ…
もう少しこのまま…)


総司は下ろしている瑠衣の髪に軽く触れる…


(本当にこのまま…
今日は昼巡察ですから、少しくらい寝坊……
良いですよね…)


もう少しだけ…

そう思って瑠衣を抱き込み目を瞑る総司・・・


だが、何時までも寝てる訳にもいかず、仕方無く瑠衣を離して渋々ながらも起き上がった。


(んー
久しぶりに体が軽い気がしますねぇー)


此処一週間以上分の鬱憤を、瑠衣が解消してくれたお陰で、気分が楽になった、序でに体も………


何故か今日は藩邸では無く、普通の巡察だけなので、昼巡察用に着替えをして、とりあえず少し遅くなったが、朝餉に向かう事に…

もう一度だけ、眠っている瑠衣の顔を見て、総司はそっと自室を出た・・・

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