この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
木之花ノ夜想曲~夢語り~
第24章 "山"
少し辛そうに手を離し、総司は屯所に戻る為に歩き出す……
残された瑠衣も屋根の上に登り、何時も通りに"鬼"の捜索を再開した・・・・・
この日の早朝ー
帰って来た瑠衣が、総司の布団に潜り込んで寝むってしまった。
やはりこの温もりが無いと、お互い不安定になるようである・・・
総司は心地良い温かさに、まだ眠っていたい衝動に駆られながらも、なんとか目を覚ました…
「ん……」
温かいと思ったら、瑠衣が自分の布団に入り込んで寝っていた。
(クスッ…
何時もは逆なのですけどねぇー)
総司の胸の中で、丸くなって眠っている瑠衣…
その仕草に、つい総司の頬も緩んでしまう……
(起きたくありませんねぇ…
もう少しこのまま…)
総司は下ろしている瑠衣の髪に軽く触れる…
(本当にこのまま…
今日は昼巡察ですから、少しくらい寝坊……
良いですよね…)
もう少しだけ…
そう思って瑠衣を抱き込み目を瞑る総司・・・
だが、何時までも寝てる訳にもいかず、仕方無く瑠衣を離して渋々ながらも起き上がった。
(んー
久しぶりに体が軽い気がしますねぇー)
此処一週間以上分の鬱憤を、瑠衣が解消してくれたお陰で、気分が楽になった、序でに体も………
何故か今日は藩邸では無く、普通の巡察だけなので、昼巡察用に着替えをして、とりあえず少し遅くなったが、朝餉に向かう事に…
もう一度だけ、眠っている瑠衣の顔を見て、総司はそっと自室を出た・・・
・