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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第24章 "山"
「「?????」」
確かに今、何かに触れた感じがした、土方もそれに気付いている所を見れば確かだ。
瑠衣は土方が歩いた場所に身を屈めて地面を眺めると…
「・・・なっ!?」
其処には土に少し埋められた、黒い術石が一つ………
となれば・・・
「…副長……
朱雀様から頂いた水晶を所持していますか…?」
振り向き、真面目な顔で土方に質問する…
当代様から回ってきた加工された水晶は三つ…
総司には必要無いので、三つの内二つは巡察隊に、残りの一つは土方が所持していた筈。
「あぁ…
持っているが…」
「"鬼"‥来ますよ…」
「何っ!?」
瑠衣がそう言った途端、黒い術石が光出し、低級の"鬼"が沢山湧き出すように現れ出た!!
「当たり引きましたね…」
「みてぇだな…」
瑠衣と土方は戦闘体制で、スラリと刀を引き抜く…
『『『ギギギ…』』』
"鬼"共は今にも此方に襲い掛かって来そうだ…
低級なのだから、目の前の餌に飛び付くのは当たり前‥まぁ自分は慣れてはいるが……
「……行くぞ橘っ!!」
「はいっ!!」
襲われる前に、此方から"先制攻撃とばかりに鬼"に仕掛ける瑠衣と土方!!
『ザシュ…ドカッ…』
次々と"鬼"の心の蔵を、一瞬の内に一撃必中で貫いていく。
『ザシュ…ザシュ…ザシュ…ズサッ…』
瑠衣は軽快に数体倒し次に向かう、流石に毎日だと慣れてしまって、速さは衰えない。
『ドカッ…ザシュ…』
土方も必死に応戦してはいるが、なにせ初めてに近いので、一匹一匹的確に処理する気らしい。
「たくっ…
どれだけ居るんだ…」
「最低でも二十は居ますね」
「冗談だろ………」
「こんな時に冗談言う程、自分は馬鹿ではありませんが?」
「そりゃそうだな…」
『ザシュ…ズサッ…ザシュ…ザシュ…』
素早さを生かし、次々と"鬼"を斬り倒していく瑠衣…
「とんだ大当たりだ…」
『ズシャ…ザシュ…』
やはり土方は一匹一匹確実に倒している。
「これで最後ぉぉっ!!」
『ズシャ…!!』
瑠衣が最後の一匹に刀を突き刺し、あの大量の"鬼"共を全滅させて始末を終わらせた・・・
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