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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第24章 "山"


「あっっ!! あぁぁぁ! いやん…そ…うじ…それ…駄目ぇぇ…はぁ……」

総司と言う言葉に、土方はハッとして本能を理性で強制的に抑え、握り拳を作って無理矢理でも瑠衣を離した…


(何やっているんだ俺は…)


胸元の合わせを直してやり‥流石さらしは巻けなかったが……
最後に首に巻き付いた両腕を離れさせた…


「はぁ―――――っ」

馬鹿か…

こいつは総司のもんだろ…
手ぇ出したら殺されるな……

もう一度横抱きにしっかりと抱き上げ、土方は溜め息を尽きながら屯所への道を再び歩き出した・・・





屯所ー


「総司居るか??」

土方は戻るなり、そのまま総司達の部屋に向かった。


「はい…?
どうしました土方さん??」

寝ていたのか、寝ぼけ眼で出て来る総司…
だが、土方が瑠衣を連れているのを見て、眠気も吹っ飛んだ様で……


「何があったのですか!?」

「"鬼"の山と連戦だ…」

そう言って、眠っている瑠衣を総司に渡した。


「"鬼"の山‥ですか?」

「あぁ…
低級二十匹以上、上級十匹と来たもんだ…
朱雀様が援護に来なかったら、間違い無くあの世逝きしてたぜ………」

「なっ!?」

総司はとりあえず自分の布団に瑠衣を寝かし、瑠衣の大刀と脇差しをそっと自分の横に置く。


「良く無事でしたね…」

「んぁ?
俺は朱雀様の結界に守られていただけだったからな、実際対峙したのは朱雀様と橘だ…」

「朱雀様と瑠衣??」

「あぁ…
たくっ、とんでもない力量だな橘は…
朱雀様と同格に動いていた」

「・・・・・・・」


(という事は眠っているのは、力を解放した為ですか…)


総司は瑠衣が眠っている原因を素早く察した、前に瑠衣が言っていた事だ。


「兎に角、朱雀様は橘は暫く眠ると言っていた、後は頼んだぞ」

「はい」

土方も疲れたのか、首をコキコキ鳴らしながら自室に戻って行った。



「瑠衣…
あまり無茶はしないで下さい…」

眠っている瑠衣の額に、口付けを一つ落とす総司……

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