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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第24章 "山"
「まぁ、一度屯所に戻って確認しないと分かりませんね」
「そうですねぇ」
兎に角、この山の様な荷物から早く解放されたい、隊士幹部十三人‥皆の思いはただ一つであるっっ!!
重い荷物を抱え歩き、やっとの思いで屯所に着いて、炊事場に次々と荷物が運び込まれた…
皆荷物から解放されて、ホッとしているのには、思わず笑みが零れてしまう。
「おうおう、お疲れさんだね」
「はい、源さん後の確認お願いしますね」
「わかっちょるよ」
此処から後は、源さんと島田さんと、通いの女中さんの仕事になる。
「ふーっ…
師走も大変だ……」
自分にしたら初めての体験、今までこんな事は勿論経験した事が無い。
修行時代、正月くらいはあるにはあったが、精々挨拶程度で特別何かする訳じゃ無かった…
朱雀を継いでからは、正月と言えば賀正の一般参加のあの儀式が最優先、事前に一族からの正月の挨拶はあるが、自分はただ聞いて頷いている程度で、あまり意味は無い。
だからこう‥年末から掃除して買い出しして、新年に向けて準備をする…
こんなのは本当に生まれて初めて………
「けど楽しいな………」
多分‥これが最初で最後になると思うから……
瑠衣は今を精一杯楽しもう、そう思っていた・・・・・
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