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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第24章 "山"


しかし既に着替え終わってる瑠衣と目が合う・・・・・


「煩悩の塊に言われたく無いですね…」

目つきが本気で怖い………

「冗談ですってばぁ…」

「冗談には聞こえませんでしたが??」

「はぁ…
すみません………」

「本当に…もう……」

これ以上強く言えないのが、瑠衣の惚れた弱みだったりするのだが……


「兎に角宴会ですよ
行きましょう!」

「…はい」

こうして二人は宴会が開かれる、大広間に向かった・・・・・








「今年一年皆良く頑張ってくれた、年明けには将軍様の警護という大役もある、今日は無礼講で気楽に楽しんで欲しい、では乾杯!!」


『乾杯ー!!』


近藤の挨拶で宴会が始まった…


大晦日とあって、料理も何時になくご馳走である。


「…美味しそう」

瑠衣は呑むより食優先、今日は珍しく京料理なのだ。

何時もは食べれない珍しい物を前に、瑠衣の箸も進む・・・


「あれぇー
橘さん呑まないのですかぁ?」

隣を見れば、総司がお猪口では無く湯のみで酒を飲んで‥いや、煽っている。

「食べる物食べたら呑みます」

「えーっ!!
橘さんが食べ物優先ですかぁ??」

「なかなか食べれない京料理なんで…
食べ終わったら‥覚悟して下さい」

人が悪いような顔で、ニヤリと笑い総司を見る。


「ぁはは…
考えておきます…」

広間の中央では、恒例行事‥原田の切腹傷の腹踊りが始まっている。


「どぉだ俺様の切腹傷はよぉー!!」

此も恒例原田蘊蓄……

それを見て楽しそうに騒いでいる平隊士達、原田の切腹話は隊士達が好きである。


藤堂は永倉になにか愚痴ってる様だ、永倉が仕方なく相手をしているらしい…


斎藤は障子にもたれ掛かり、独酌で一人チビチビと酒を煽っている…


上座三人組は討論を始めたらしい、近藤を挟んで土方と山南が言い合っているようだ…



何処にでもある光景、でも瑠衣には初めての体験……


瑠衣には一人一人が、光輝いているように見える・・・

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