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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第24章 "山"
(本当に楽しいな…)
最近やっとそう思えるようになった‥そう思う………
人通り大晦日の京料理を食べ終えた後、瑠衣は何処から持って来たのか、酒瓶を五つ総司の前にドンっと置いた……
「?????」
「沖田先生、飲み比べをしませんか??」
「・・橘さんとですか?」
「はい、そうです」
またまたニヤリと笑い総司を誘い出す…
勿論瑠衣の確信犯……
幹部席の真ん中にお膳を一つ置いて、今まで誰も見た事が無い、総司と瑠衣の飲み比べが始まった・・・・・
湯のみでは無く茶碗でグイグイ呑んでいく瑠衣…
総司もそれに合わせてグイグイ呑む……
意外な組み合わせに、幹部どころか平隊士達も二人のやり取りに目が釘付けになる。
「お…
おいっ、瑠衣大丈夫なのか!?」
原田が心配そうに声を掛ける、勿論総司の酒豪は把握済みだ…
「何がですか?」
平気な顔をして茶碗一杯飲み干し、総司に向け置く…
「総司はああ見えて強いぞ」
「そうだよ瑠衣ー」
永倉も藤堂も心配そうだ、この三人も多摩時代に総司に潰された過去を持つ……
総司が飲み干し、此方に茶碗を向ける…
その茶碗に酒を並々と入れ飲み干す瑠衣…
直ぐに茶碗を総司に向け返す。
「「「・・・・・・」」」
予想外の瑠衣の飲みっぷり‥お互いゆずらない展開に、もう言葉が無い三馬鹿組・・・
どのくらい時が経ったのだろうか・・・
酒瓶は五つどころか、もう十を超えるくらい転がっている・・・・・
それでも総司と瑠衣の勝負は付かない…
周りの隊士達は皆酔い潰れ眠っている者も多いというのに……
今起きているのは、幹部数人のみ………
「諦めませんねぇー
橘さん」
相変わらず酒を飲み干し、茶碗を返す総司………
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