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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第25章 "帝"
「あーえー
ちょっと違うんですよ…
なんと言うか…
待ち合わせ‥です」
「「待ち合わせー!?」」
どこの馬鹿が、こんな場所を待ち合わせ場所に選ぶんだ??
総司と土方は、待ち合わせの相手を考え茫然としてしまう。
「自分だって驚きで…「橘殿!!」」
瑠衣の言葉を遮り、その隣に突然、焔が現れていた!!
「焔殿!?」
朱雀様の側近が何故??
突然の事に頭が回らない。
「一体何が……」
どうやら瑠衣も何も知らずに呼び出されたようだ。
「申し訳御座いませんが、話は後で着替えの最中に、主上が御所に到着するまで時間がありません、走っては間に合いませんので飛びますっ!!」
急に焔は瑠衣の腕首を掴む…
「ちょっ…意味わから……」
また瑠衣の言葉の途中で、焔と瑠衣はその場から忽然と姿を消した・・・
「・・・
何だったんだ…??」
「私にもさっぱり…??」
あまりもの素早い出来事に、手も足も出なかった総司と土方。
というより、突然姿が現れ、また突然姿を消されれば何も出来ない…
あれが朱雀一族の力なのか‥その程度で、何一つ理解出来ていないが本当のところ。
兎に角、待ち合わせの相手が焔殿で、呼び出したのは朱雀様というくらいしか把握出来てはいない。
「なんなら見にいかへんか?」
二人の間にひょこっと山崎が顔を出す。
「見に行くって…」
「どうせ何も起こらん、だったら警護の腕章を利用して、朱雀様が御所に入るん、見に行った方が特やと思うけどなぁ」
先程の今、総司だとて気にならない訳では無い…
「・・・
行きましょうか…」
「流石沖田はんや!」
二人はそそくさと抜け出して、御所‥正門へと向かった・・・・・
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