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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第7章 "刀"


「はいっ、一番隊に…副隊長として置かせて頂く事になりました」

事も無げに言う瑠衣なのだが、三人の目は驚きに満ちている。


「「「一番隊ー!!」」」


三人が合わせたように一斉に叫ぶ。

「それも副隊長…」

藤堂は瑠衣を見て辛そうな顔をする。


「ねぇ橘さん…それって"裏"の仕事をするんだよね…」

「はい、その通りですが何か不都合でも??」

三人三容複雑な顔をして、瑠衣に話し出した。


「あんな、おめぇみてぇな女みたいな奴が、そう簡単に勤まる仕事じゃねぇ…
俺達だってかなり苦労してんだよ」

原田の話の趣旨が全く分からない?
多分に"鬼"の話だとは思うのだが。

「んーなんって言ったら良いのかな??
"鬼"を倒すって事は分かるよね?」

藤堂の言葉に素直に頷く。

「はっきり言えば心の臓を刺しでも"鬼"は死なん、どうやら急所はそれぞれ違うらしい」

永倉の言葉に瑠衣もやっとこの話が理解出来た。

要するに人間には"鬼"の心臓が見えないのだ…
という事は、今まで心臓に当たるまでめった切りにしていたのか??


(効率の悪い…)


自分は見えるし朱桜刀も見せてくれる、朱雀様が自分に"鬼"を倒せと言って来た意味が今になって漸く少しだけ見えて来た。


「とにかく、足手まといにならないよう頑張ります」

見えるとは言えないので、こう答えるしかない。

「おぉ!!
何かあったら俺達に相談しろよぉ、仕事から女の世話まで、全部相談に乗ってやっからよ」

ガハハと瑠衣の肩を大きな手で叩いて、大笑いする原田。

「左之ー!!」

慌てる藤堂。

「五月蝿い…」

顰めっ面の永倉。


「三人は仲がよろしいんですね原田先生、永倉先生、藤堂先生、何かありましたら、よろしくお願いします」

「堅苦しいなぁ‥なぁ!!
瑠衣って呼んで良いか?
その代わり、俺の事も左之って呼んでくれ!!」

「僕もー!!
平助って呼んで?」

「…新八…」

三人を見て笑いながら

「勿論瑠衣で構いません、左之、平助、新八、よろしくです」

「おぅ!!(うん!!)」

この三人組は簡単に仲良くなれそうだと思う。


「しっかし女みてぇな細い体だなぁー
ちゃんと食ってるのかぁー
それと年幾つだ?」
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