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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第7章 "刀"


"女みてぇな"という言葉に思いっきり嫌な顔をしながら・・・

「年は今年で十九になります、食事はちゃんと三食しっかり食べてます」

やっぱりと言うか嫌でも"女みてぃな"という一言に引っ掛かっりを覚える、そこで瑠衣は一呼吸置き、三人を睨みつけながら更に喋り出した。

「女顔と良く言われますが自分は男です!!
今度同じ事を言ったら、再起不能になるまでその玉踏みつけてやるっ!!」

瑠衣の後ろにどす黒い般若が見える
その尋常じゃない禍々しい黒い気に、三人も本気だと悟る・・・・・


「「「すみませんー!!」」」


本気で顔をひきつらせ、この後巡察だの稽古だと言って逃げ出す大中小三人組。


(全く…)


この調子だと、後どれだけ女顔と言われるのかと、鬱陶しさが顔全面に出てしまっている。


(…女だけど…
言われて気分が良いものではないな‥)


まだ顔を洗って無かったと思い、井戸の水を汲み上げた
冷たい水が苛々した顔に丁度良い、手拭いで顔を拭き鬱陶しい気持ちに見切りをつけて瑠衣は一度部屋に戻どる事にした。


部屋に戻ると、丁度総司が布団をたたみ、着替え終わった所に出くわした。

「おはよう御座います、橘さん」

目覚めすっきりした顔で挨拶する総司。

「おはよう御座います、沖田先生」

先ほどの事など無かったように、にっこり笑い挨拶を返す。


「…?
何かありましたか?」

何かを感じ取ったのか瑠衣の顔をじっと見つめる総司。


(どうしてこう感が良いんだこの人は…)


完全に作り笑顔だったつもりが…
内心舌打ちしながらも笑顔は崩さない。

「別に大した事はありません」

「…そうですか…
あっ、この後朝餉ですが、多分土方さんから橘さんの紹介があると思いますので、土方さんと一緒に広場に来て下さいね」

「分かりました、では自分は土方副長の所に行って参ります」

「はい、先に大広間で待っています」

大広間に先行くと言う総司を置いて自分は土方の自室へと足を延ばした。


土方の部屋の前ー


「土方副長、橘です
よろしいですか??」

暫くして機嫌の悪そうな土方の声が聞こえて来た。

「あぁ… 入れ…」

失礼しますと声を掛け襖を開く、そこには起きがけの不機嫌な土方が布団の上で胡座をかいて座っていた。


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