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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第26章 "考"

とある神社の一室ー
「星光…」
主…
いや…
宋永輪は下部の星光を呼んだ。
「主…
此方に…」
宋の後ろに控える星光。
「もう傷は良いか?」
あの朱雀との戦闘の時、助けたのは勿論宋自身である…
星光はまだ使い道がある…
ただそれだけの為に。
「はい、もう何でもありません」
「そうか…
して、御所の結界の方は?」
それには星光は僅かに顔をしかめる。
「申し訳ありません、主のお力をお借りしているのにも関わらず、一向に封じが解ける気配はありません」
「…
仕方あるまい、あれの封じは強い…
並大抵の事では解封出来ん、星光もう暫く頼むぞ」
「はっ!!」
宋の後ろから、星光は姿を消した・・・
宋は目の前の結界陣を見る、線が六本…
まさか街中に配置した術石が、破壊されるとは思わなかった。
「あれだけの罠を…
朱雀め…」
星光の"目"を潰され、話だけしか聞いてはいないが、朱雀が現れるとは…
逆に上級を多数配置したのが不味かったか。
"要"の一つとなる術石を破壊され、陣が不安定になっている…
今日もこの一室の仮陣の中央には、女の死体が一つ……
毎日力を与え続けなければ、陣が歪む…
女共を捕らえるのは危険が付き纏うが、陣が乱れるよりましだ。
「もう少し…
後もう少し……
其れなのに邪魔ばかり入る…」
朱雀然り新撰組然り…
何故私の邪魔をする…
何年掛けて、この為だけに血を滲む様な努力をした?
どんな事にも耐え、やっとの思いで外法の一部を手にした、だが一部だ!!
あの雷を利用しても破れたのは、ただの二つ…
全ては手に入らなかった。
「何としても目的を果たし、私の思うが儘に…」
そろそろ死体の女の血が切れる…
次のを用意せねば……
宋は印を組む、すると女は浮き上がり陣から放り出された。
「誰か…
次の女を!!」
また一人、女が犠牲になる…
宋が目的を果たすまでに、どれだけの女が犠牲になるのだろうか・・・・・
宋の真の目的は・・・
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