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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第26章 "考"

「この場合‥どうにかしちゃった方が良いんですかね…?」
「瑠衣、何か考えでも?」
「余り気は進みませんが……
強制的に記憶を消すという手もあります」
ちょっとだけ布団から顔を出して言う。
「…強制的ですか…」
「はい‥強制的です…
気乗りはしませんが………」
「無理にしなくても…
誤解が解ければそれで良い訳ですし」
「・・・どうやって??」
「うっ‥それは…
まだ思いつきませんよぉー!」
「はぁーー」
此方も眠れぬ夜を過ごしそうな、総司と瑠衣だった・・・・・
一夜明けて・・・・・
眠れぬまま過ごした、瑠衣、総司、斎藤‥(おまけに山崎)
今、昨日の事件の為、土方の部屋で幹部呼び出しの許、会議中である。
「…で、焼けた民家に残ってたのが、この張り紙だ」
土方は一同の前に"天誅"と書かれた紙を一枚差し出した。
「"天誅"か…
恐らく倒幕側の仕業だな…」
永倉が紙を見ながら渋い顔をして呟く。
「あぁ、俺もそう睨んでいる…
ご丁寧に紙と戸板に水を掛け、燃えない様に細工までしやがって、間違い無く、俺達幕府側への挑戦状だろうな」
土方も永倉の言葉に同意し、更に話を進める。
「今回は周りに家の無い空き家だったが、恐らく次がある…
その時、何処を狙われるか分からない
昨日の状況から考え、この冬の乾燥しているところに加え、風の強い日が一番危ない」
風が強ければ、火の回りも早い、もし密集地に放火されれば大惨事になる。
「連中が動くのは夜だ、警護も終わり、夜巡察を一組に戻すつもりだったが、当面このまま続行する、それと監察方も飛ばす…
後、巡察の他にお前達幹部に、囮兼見回りとして二人一組で出て貰う」
「で、土方さん、組み合わせは?」
原田が待ってましたと言わんばかりに、土方に噛みついた…
「あぁ……
巡察に支障が無い様に空き番で選ぶ、まず原田と藤堂、斎藤と橘、総司と永倉…
当面はそれで回って貰う」
「あれ…
私橘さんと別行動ですかぁ?」
総司が不服と言わんばかりに土方を睨むが…
「お前ら二人だと、目立ち過ぎんだよっ!!
此でも目立つのと目立たないのとの組み合わせだ!」
確かにその通りで……
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