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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第26章 "考"

朝、土方から話しを聞いて見ると、昨日の浪士達は、ただの密会だった様で、勿論二隊合同で取り締まったが、放火犯とは無関係と分かった。
それに昨日は放火も起きていない。
全くの無駄足である。
「はぁ―――っ、走り損です!」
「そんなに走ったのですかぁー?」
自室で昨日の報告書を纏めている瑠衣に、総司は後ろから声を掛けた。
「走りましたよ、嵐山の手前から、街中を抜けて古い廃寺の方まで、全くしつこいったら…
それで収穫無しですからね…」
「確かに走り損ですねぇ」
「総司も良い運動になりますよ?」
何となく、瑠衣の背中に般若が見える…
間違い無く怒っている様子。
こういう時は、さわらぬ神に祟り無しの状態(本当に神様ですから)、総司は話しを変えようと必死だ………
「しかし‥敵方の目的は何なのでしょうね…」
「・・・・・・・・・・」
それが言えれば苦労はしない、出来ないから、地味に苦労してるのに…
総司の目には、般若が二体になった様に見える。
見事に瑠衣の地雷を踏んだよう……です・・・
「あ…あ…る…瑠衣…
言えない事は、決して聞きませんからぁー!?」
「当たり前ですっ!!」
さくっと一言で、総司の弁解を終わらす!
気晴らしに、報告書が終わったら道場でも行って見るか…
密かにそんな事を思ってたりする。
「終わりました、報告書上げて来ます」
そのまま報告書片手に部屋を出て行った。
「こ‥怖かったですよぉ……」
総司はというと、ホッとしたのか、ガックリとうなだれ中だった・・・
その後、道場で平隊士が伸びてたのは言うまでも無い。
ドンドンとやり方が、総司に似てきている瑠衣である・・・・・
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