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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第27章 "辱"



  (刀ねぇ…)


自分には朱桜刀がある、一心同体のこの刀と離れる事はまず無い。

脇差しは…
総司の物だから大切に扱っている。


(やっぱり男ってそっちの方なのかな??)


確か……
局長が虎鉄、副長が和泉上兼定だったか…どちらも銘刀だ、総司の菊一文字も銘刀の内に入る逸品な筈。


「あっ!!」

総司の刀で有名なのがもう一振り…

加州清光!!


(もしかしてそれかな??)


色々思いながら、見た目は黙々と筆を進めて行く。


確か現代に伝わっているのは…
局長・副長・総司・斎藤・藤堂・永倉辺りだったと思う、まぁ余談だが芹沢の鉄扇もまぁ有名所だった筈‥勿論現存してない物もあるが…


(刀は武士の魂か…)


自分の朱桜刀とは別だが、刀は武士にとって何よりも大切な物、まぁ武士にとってはだが……


(…これ以上余計な事は考え無い方が良いな……)


歴史を知る者にとっては、新撰組の歴史が決して明るい未来じゃ無い事は勿論承知の上…

だからこそ余り考えたくない……



報告書を書き終わり、筆を置きつい溜め息を吐いてしまう。


(余計な知識は封印出来ればなぁー
今を素直に実感出来るのに…)


その余計なので、高杉、吉田を嫌でも見逃す羽目になった。


(はぁ‥出来るならば高杉の野郎を細切りに刻んでやりたい…)


多少物騒な考えが瑠衣の脳裏に過ぎる…
出来たらの話で、実際は手が出せないから悔しい‥だからこそ考えてしまうのだが………


「さて、さっさと仕事終わらせて来るか」

報告書を持ち土方の部屋に向かう瑠衣、これで今日の仕事は終わりになる。


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