この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
木之花ノ夜想曲~夢語り~
第27章 "辱"
早めた足を普通の歩みに戻し先を進む一番隊、今日は監察方からの情報も入って来てもいない。
「特に何も無さそうですね」
「沖田先生、油断大敵ですよ…」
「分かっていますよ…」
おさぼり常習犯の総司も、隊務に出れば真面目に仕事はする、ただ昼巡察の時は逃げられる事もあるが…主に甘味処に……
それを押さえ捕まえて置くのも、瑠衣の仕事になる………
街中をかなり進んだ時、監察方の一人が一番隊の前に姿を現した。
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
監察方と総司のやり取りが続く…
どうやら何か情報を掴んで来て、自分達が踏み込む‥そんな所だろう。
話を終えた監察方は屋根を伝い消えて行った。
「皆さん、監察方の情報です‥
此から踏み込みに行きますよぉー」
平隊士の目付きが変わる、皆やる気だ…
瑠衣も気を引き締め総司の後に続いた・・・
大通りを抜け、一本裏の小道に入って行く、その突き当たりに灯りの灯った少々大きめな家が一軒…
「二人は裏へ…
行きますよ……」
悟られないように総司は小声で話す。
「承知」
こういう場合、踏み込むのは瑠衣と総司の担当になる。
そっと家の壁に張り付き、中の様子と気配を伺う……
中には男が三人、囲炉裏を囲んで座っている…
気配からして武士‥浪士なのは間違いない。
瑠衣と総司は頷き合い、総司は戸板を蹴り破る!!
「御用改めですっ!!」
予想外の新撰組の踏み込みに、対応が遅れる浪士達、刀に手を掛けた時には既に瑠衣と総司の峰打ちが入っていた・・・
「ふぅ‥一丁上がり!」
「…橘さん、ですからそんな言葉を何処で覚えて来るのです?」
「…さぁ…?」
ニヤリと笑い惚ける瑠衣…
その間にも平隊士達が浪士を縛り上げている。
・