この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
木之花ノ夜想曲~夢語り~
第27章 "辱"
「ドンドン口が悪くなりますねぇ…」
「気のせいですよ」
総司の言葉も気にしなく、淡々と副隊長の仕事をこなしていく。
「二人は浪士を連れて屯所に戻って下さい、あぁ‥後片付けは必要無いですね、灯りだけ消して次行きましょうか沖田先生」
事務的処理は瑠衣の担当、さっさと人員を割り振りして、総司に巡察の続きを促す。
「あ‥えぇ、次行きます」
屯所に戻る平隊士を置いて、巡察に戻る一番隊、此が新撰組の日常なのである・・・・・
「お疲れ様でした!」
夜巡察も終わり、屯所の門の前で平隊士と解散になる。
後はそれぞれ井戸に自室にと勝手に戻る、その後許可さえ取れば何処に行くのも自由・・・
法度はあるが、別に一から十まで束縛はしていない…
特に男所帯なので、女関係はそれなりに甘い‥と言っても平隊士に島原まで行く給金は出ていない、清々流れの遊女か夜鷹を買うくらいが精一杯な程度。
なので変な病気が蔓延したりもする…
此も医者に突っ込み、見ない振りを一応通している。
「今日は一件ですか」
今日の報告書の担当は総司、文机に向かい仕方無く筆を取っている。
「少ない事は良いことですよ総司」
文机に向かっているので、瑠衣に背を向ける格好になっているのを利用し、その間に着替えを済ませてしまう。
「まぁ‥そうなのですけどね」
(暴れ足りないか…)
毎日斬り合いなんて起こる訳も無く、総司は少々不満気味、瑠衣も此ばかりはどうしようも無い………
(ん?
どうしょうも無い??)
瑠衣は暫く考え、一つ良い案を思い付いた、此ならば邪魔も入らないし、総司の修行にもなる。
「総司、そんなに暴れたいですか?」
ワザと意地の悪い微笑みを浮かべ総司を見詰めた。
「瑠衣、私を何だと思っているのですか…??」
「んー暴れ馬??」
「・・・・・・・・・」
瑠衣の口から出た言葉に、あんぐりと口を開いてしてしまう…
(私ってそういう風に見られてたのですかぁ!?)
「まぁ‥それは冗談ですが、本当に暴れたいのなら、手伝いますよ」
「へっ?
手伝う!?」
「えぇ、手伝うです」
瑠衣はにニコリと笑い、総司に答えを促す。