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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第27章 "辱"
総司も暫く考え……
「…では手伝って下さい、ですが法度に触れるのは駄目ですよ」
「当たり前です、では準備しますね」
瑠衣は箪笥の中をガサガサ漁る、前に作った結界石の余り四個の内の三個と、何も書いていない紙を六枚用意した。
「?????」
総司は何をするのか分からずに、瑠衣のする事を黙って見ている。
六枚の紙を人形の形に次々折り横に置き、三個の術石を目の前に置く、そして印を組み始める。
「"我願う、封じの石よ・・・・・・・・・」
真言と共に次々印を組み変えて行く……
一通り真言を述べた時、石が小さく光った様な感じがした。
「さて準備出来ましたし、何時もの空き地に行きましょう、総司覚悟して下さいね」
瑠衣の一言に生唾を飲み込む総司、瑠衣がこういう風に言う時は何かある‥直感的に悟ってしまう。
(…覚悟決めますか……)
頬を叩いて気合いを入れて、総司は刀を持ち立ち上がった・・・・・
空き地に来た瑠衣は、空き地の広さギリギリの場所を一周歩く、その間に三個の術石を一つづつ置いて行く…
一回りして真ん中に戻って来て、印を組み出す。
「"我願う、石よ光れその力示せ…"」
瑠衣の言葉と共に空き地に置いた石が光り出し、三角形の線を作り空き地を囲む。
「これは??」
「説明は後で…」
ニコリと笑い、次に六枚の紙の人形を取り出す。
「"カタシロよ、我の思い思うがままに動け…"」
六枚の人形が、ムクムク大きくなり人の形になり、浪人の姿に変わる、その手には皆刀を持っているのだが・・・
「結界は中が見えないようにするのと、音を外に漏らさない為のものです、ので好きに暴れて下さい、人形代は見て分かるように、総司の相手です…
ただし技量は総司と同格くらいにしてありますので注意して下さい、刀は本物ですので」
「・・・冗談・・・」
流石に顔が青くなる総司。
「あ、間違っても六体同時に攻撃はしませんから、精々二体ですね、じゃぁ頑張って下さい」
瑠衣は結界から外に出て、側にある大木の上に飛び乗り、座りながら総司を眺めている。
「手伝うって‥こういう事だったのですね…」
確かに暴れ足りなくて鬱憤が溜まってたのは事実だが、自分と同格六人相手…
瑠衣は好きに暴れも良いと言ったのだから、我を忘れても良いと言う事か………