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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第27章 "辱"
総司はゆっくりと刀を引き抜く……
「総司、では行きますね」
その掛け声と共に、一対六の戦闘が始まった!!
苦戦している訳では無いが、流石に六枚はやり過ぎたか?
大木の上に座っている瑠衣は漠然と考えている。
(まぁ‥負ける事は無い筈だけど…)
総司の目付きは輝き野生のそれに近い、我を忘れて楽しんでいるようだ。
こうなると瑠衣以外止められる者は居ない、だが今日は止めるつもりは全く無い、その為の人形代だ。
(二体目‥順調順調…)
二体目の形代が血渋きを上げて倒れる。
(上手くいってるな…)
先程、総司と同格と言ったが、それは‥あの吉田稔麿に会った時の総司だ。
実はあれからの稽古で、総司と同じ理心流を使い稽古をしていたのだが、総司が気づかないように、少しづつ速さを上げていっていた。
従って、今の総司の方が形代より技量は上である。
(あっ‥三体目…)
首を飛ばされ崩れ落ちる。
(んー
暴走すると斬り方がえげつないのは仕方が無いか……)
幾ら形代でも、首を飛ばされてはご愁傷様としか言いようが無い・・・
四体、五体と次々斬り倒し、残り一体‥流石暴走総司………
(もしかして六体でも足りなかったか!?)
つい馬鹿な事を考えてしまった・・・
『ズシャッ…!!』
六体目の胴を切断して、戦闘は終了する。
総司の気が収まるまで、近寄れはしないが………
見た所、流石に息が上がっているようだが、まだまだ近寄れ無い。
大木の上でボーっと考え事を始める瑠衣…
この光景を見て、何となく思い出したものがある。
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