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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第27章 "辱"
「気付かずに腕を上げさせるのも、教えの内ですよ総司?」
瑠衣はニヤリと笑って総司を見る。
「はぁ…
そう言うやり方もあるのですね……
瑠衣もしかして教え上手ですか?」
「人に教えたのは初めてです、平隊士との稽古は‥あれは教えの内には入らないでしょう?」
クスクスと笑って総司を見ている瑠衣、本気で教えたのは総司が初めてで…
普通、朱雀に教えを乞う人間なんて存在しない。
「それにしては、手馴れている気がするのは気のせいですかぁー」
総司は頬をポリポリと掻いて目線を外して…
結構困っている‥そう見る。
「んー
師匠の真似をしてみただけ‥なんですけどね…」
「瑠衣の師匠ですか…
凄い方なんでしょうねぇ」
その言葉に、何故か瑠衣は思いっ切り顔をしかめた。
「・・・・何て言ったら良いんですかね…
確かに剣の腕は凄いんですが・・・性格は…何て言うか・・・変人…??」
「はぁぁー!?」
瑠衣の爆弾発言に、つい馬鹿な声を上げてしまった・・・
「はぁ…
ですから、普通の人の感覚とはかなりズレた方です・・・」
隠しても仕方がなく、此処ははっきりと言う……
「・・・もしかして…
瑠衣の変な言葉も其処から……」
「まぁ‥近いです…
師匠にはかなり振り回されましたから……
本当ーっに、稽古以外は振り回されっ放しでした………」
思い出したく無いのか、顰めっ面のまま深い溜め息まで吐いている。
「ま…また個性的…ですね・・・」
「…個性的ですか…はぁ…確かに………」
あの変人師匠がとんなものか、一度見せてやりたい、心からそう思う。
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