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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第27章 "辱"
「はぁ…
減ってませんね……
仕方が無いですから手伝います」
「本当ですかぁー!」
総司は嬉しそうな顔をして瑠衣を見ている。
(・・・
甘いなぁー)
なんのかんの言って総司に甘い瑠衣、此だけは惚れた弱みとしか言いようが無い・・・
「そう言えば明日は非番ですね、瑠衣は何処かに行くのですか?」
瑠衣が外出するならば自分も一緒に付いていく…二人の約束。
「いえ特には…
また山南さんから書物でも借りて読もうかと思ってますが?」
文机に仲良く座って、書類整理の追い込みに勤しんでる二人。
「では、明日は私少し出て来ますね」
「はい、分かりました」
この選択を、後々二人は後悔する事になる・・・・・・
次の日の昼間ー
「では行ってきますね」
「はい、いってらっしゃい」
瑠衣は読んでいた書物から顔を上げて、総司が外出するのを見送った。
(あれ?
刀持っていない??)
ふと部屋の隅を見ると、総司の刀は置きっ放しになっている。
(あー
寺に行ったのか…)
総司は偶に、壬生にある古寺で子供達と遊んでいる。
そんな日は刀は持って行かない…
人斬り沖田では無く、普通の浪人として寺に通い続けているらしい。
自分としても、総司の一時の休息を邪魔する気は無いので、そっとしといている。
「さて…
今日はこの書物を読破するぞ!!」
何時もより分厚い薬学関係の書物、瑠衣は気合いを入れ直して書物と向き合った・・・
「すみませーん
饅頭三十個お土産でお願いしまーす!」
「はいな!!」
此方は街中の総司、子供達のお土産にと甘味処で饅頭を注文中。
此処の所、警護の会議だの放火の警備強化だと、立て続けに忙しくて寺に行く暇が無かった。
(んー
ふた月ぶりくらいにはなるのですかねぇ)
会議を頻繁にやってたのは師走の中辺りだから、それからだからもう‥ふた月は経っている。
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