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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第27章 "辱"
「くく…
そうだ‥そのまま此方へ歩け……」
"神足"で一気に高杉を…
いや、高杉の刀が総司の首に入っている、行動に移そうとすれば高杉はすかさず総司の首に刃を入れるだろう、下手に迂闊な事は出来ない。
「・・・・・・・・・」
ゆっくりとした足取りで、瑠衣は部屋の中央に一歩一歩歩みを進める。
部屋の中央には嫌な気が微かだが感じる "罠" 間違い無く何か仕掛けがあるだろう事は予想が付く。
「・・・・・・・・・」
高杉も総司に刀を付けながら、瑠衣が歩くのをただ黙って見ている。
(そう…もう少しだ…そのまま歩け…)
中央には星光が仕掛けた法陣が隠されている…
最後の賭‥此で駄目ならば、その身も心も全て壊してやりたい。
瑠衣が高杉を睨み付けながら、中央に向かい歩く…
中央に踏み込んだ時、宋が施した術が発動した!!
「くそっ!!」
黒く丸い法陣が、瑠衣を中心として光り輝き術が発動する…
法陣の術式は陰陽道に自分でも分からない式が書かれいる、多分此が外法の術式。
これほどの術式になると、力を全て解放しなければ破れまい、それ即ちこの屋敷ごと破壊してしまう事になってしまう…
総司が居なければ即実行に移すものを・・・
金縛り状態で動けない瑠衣、それを見て高杉はニヤリと笑う。
「やっと捕まえたぜ…
苦労したんだ、その分の見返りは貰わんとな…」
わざわざ手下に沖田の行動を探らせ、稀に沖田が刀を持たず外出する事を探り出し、辛抱強くこの機会を待った。
やっと来た機会…
これを逃す事は出来ない、自分の京に居れる時間を考えれば此が最後になる。
「おいっ!!
皆入って来いっ!!」
高杉の言葉に、屋敷の中に居た浪士達が次々と部屋に入って来た。
「楽しみは皆で分かち合うものだろう?」
ニヤリと笑い、総司に向けていた刀を下ろした。
「おいっ、此奴を向こうに連れてけ」
浪士二人に総司を預け、部屋の反対側に連れて行かせ、体を押され総司はその場に倒れるように転がされた。
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