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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第27章 "辱"


朦朧する意識の中、瑠衣の中に一つの考えが浮かんだ、高杉の激しい責めの中、意識を辛そうに見ている総司に力を集中した。

総司の方は高杉のあまりのやり方に、猿轡を噛み締め高杉を睨んでいると……


"… …そ…うじ…"


突如、頭の中に瑠衣の声が直接響いた…
総司は驚き瑠衣を見る。

辛く苦しそうな顔をしているが、目は確かに此方を‥自分に向いている。


"総司…聞こえ…ますか…
聞こえていたら…目を…閉じて合図して…下さい…"


その声に応え、総司は目を閉じる…
暫くして目を開けると、瑠衣はまだ此方を見ていた。


瑠衣は目を閉じる総司を見て、力は全く封じられていないと確信する。


「どうした…
もっと壊れるくらい泣き叫へ!」

高杉の腰の動きが更に激しさを増す、解されていない菊門からは血が流れ貫かれる度に激痛が走る。


「うぁっ…あぁぁ…あっ!!…」

痛みと快感…
同時に与えられるそれに、集中しようとする瑠衣の意識は乱される…


(は…早く…しないと…)


自分が正常に意識を保っているうちに……


"総司聞いて下さい…今…縄を解いて…刀があったら…この浪士共を…全て…殺れ…ますか?…"


その声に総司はもう一度目を閉じる。


"…体は…術で…動きませんが………"


その時、高杉が瑠衣の首を片手で締め上げてて来た!!!


「ぐぁ…ぁぁ!!」

「くく…
そうだ…壊れてしまえ」

狂気に支配された高杉に、最早手加減と言う言葉は無い。

このままでは本当に不味い!!


"………力は…封じられ…ていません…隙…を…見て…力で…縄を解き…自分の…刀を其方に…飛ばします…良い…ですね……"


総司は決意を込めて目を閉じ、開けた…

このままでは瑠衣の精神の方が危ない、多分今もギリギリを保っている筈、この気が緩んでいる男達ならば刀さえあれば皆殺しにしてやる!!

総司はそう思い、動かない体を無理やり立て直し、瑠衣が縄を解く隙をじっと待つ……


「あ"ぁぁ!…ぐはっ…ぁぁ!!」

瑠衣の方も何とか隙を伺うものの、高杉の容赦無い責め苦に力が集中出来ないでいる。
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