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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第28章 "謎"



(…総司……
私はどうしたら良いんだろう…)


引き裂かれそうな胸の痛みに、瑠衣は切ない顔をする。


(…私は……)


離れたく無い‥それが本音…
でもそれは無理な話。

だからこそ今を大切に総司の側に居る。


(…総司………)


漠然と考えながらも、春の日差が気持ち良く、ウトウトと瑠衣は眠りに入っていった・・・・・








「・・・山内・・ですか……」

処変わって土方の部屋。

土方は総司と話込んでいた…


「あぁ…
どうも此方を嗅ぎ回ってるみてぇでな……
前の経緯もある、此方を敵視してるのは間違いねぇ」

大阪奉行所与力山内…


芹沢がまだ生きていた頃、大阪で相撲取りと乱闘になった事がある。

仕方無く奉行所に届け出たが、その時対応したのが山内で、此方を田舎侍と見下した態度を取られたのを思い出す。

その山内が、此方を嗅ぎ回って尻尾を掴み、潰そうと八方手を回してるらしい。

今、山崎が大阪に山内の下見に行っている、どの程度此方の情報を掴んでいるのかと……


「まぁ…
今すぐどうこう出来る事でもねぇが…
最悪手を下すのも視野に入れなきゃならなねぇ…
そうなったら総司、お前に動いて貰う事になる、勿論橘もだ、彼奴はそういう方向には長けてるようだしな…」

「…瑠衣もですか…
確かに、そっちに関しては私より長けてますしね…」

いつになく真剣な表情の総司…
手を下す…即ち暗殺…土方の考え次第では、そういう事になる。


「だから、今の所は山崎の報告待ちだ、長期で潜入させているから、早くても報告が上がって来るのはひと月後以上後になる」

「分かってますよ」

「兎に角、頭の隅にでも入れとけ、良いな」

「えぇ…
分かりました」

総司はそう言い、土方の部屋を後にした・・・


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