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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第28章 "謎"


今自分が一番欲しいもの…
それが自由……

自由に総司の側にずっと居たい…

総司も黙ってしまった瑠衣を見る、何を考えたかは何となく分かる…

自由‥瑠衣からすれば欲しいもの……
色々なものに縛られ自由が少ない瑠衣。

瑠衣からすれば、自由という言葉は魅力的に聞こえるのだろう。


「どうした、急に黙り込んで…
何か考えがあるのか??」

土方の言葉に瑠衣はハッと我に返った、ここは土方の部屋だったというのに…


「…いえ…
すみません・・」

瑠衣は申し訳無さそうに肩を竦める…
土方の言葉に、つい出来もしない事を考えてしまった。


「本当に何を求めたんでしょうね………」

珍しく飾らない瑠衣の本音の言葉に、土方の方が吃驚する。

この言葉にこんなに反応するとは思わなかった。


「橘どうした?
お前らしく無いな、求めるものは人それぞれだろ?
お前にはお前の求めるものがあるんだろうよ…」

「・・・・・
そうですね…
自分の求めるものですか……
大したものは求めていませんよ…
本当に・・・
普通で小さな事です」

「お前の事だから、とんでもないものを求めてると思ったぜ」

土方はニヤリと笑い煙管を吹かす。


「副長…
自分をなんだと思ってるんですかぁ…
化け物じゃあるまいし、そんな大それたものを求めてません・・・」

瑠衣の言葉に総司は腹を抱えて笑っている…
そんな総司を眉を細めて睨む瑠衣だが、総司の笑いは止まらない。


「ぁはははは…
瑠衣の大それたもの‥ですかぁ…
ははは……」

「あぁ‥話それたぜ…
で橘、お前はこれを見てどう思うんだ??」

頭を掻きながら話を無理やり戻す土方、総司の方は‥無視を決め込む事にする。


「自分の意見ですか…
はっきり言えば分からないの一言です…
その宋永輪が自分が探している人物なのか、それすらもまだ疑問です」

「探している人物か…
橘お前は何を隠してる??」

土方の目が剣呑に光る…


「大した事は隠してません、ただ朱雀様と共に外法を扱っている人物を探しているだけです、宋永輪が今の所一番怪しい人物‥それだけですが?」

あっさりと白状され、呆然する土方、もっと隠すものかと思い込んでいた。
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