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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第28章 "謎"
「・・・そう言えば・・・」
瑠衣は何かに気付いたように口を開く。
「そう言えば…
外法だけを使った術は一度も見ていない…
自分が見た外法の術には、必ず陰陽道が合わせて使用してあった…」
外法の術式だけならば、自分でも術式が分からない筈、だが見た術は全て基盤に陰陽道を使用している…
それは多分……
外法の情報が未完成で不十分だから・・・
だとしたら陰陽道が使える人物…
それも安倍家でさえ恐れた宋永輪だったら??
昔の書物文字が理解出来、陰陽道にも長けている、そして頭の回転の良さ…
筆頭に上がるくらいの頭の良さならば、陰陽道と外法を組み合わせて使えないか?
同時期に生み出された陰陽道と下法、もしかしたら、当時も組み合わせて使っていたのかも知れない。
報告書の点と線がドンドンと繋がってゆく、だからこその分厚い報告書だった訳だ‥かなり回りくどい書き方だが……
「やはり副長にお願いして正解でしたね」
「おっ、少しは俺を見直したか??」
ニヤリと笑っている土方…
瑠衣の言葉で、土方も何か察しが付いたらしい。
「えぇ…
女遊びだけの方では無いと分かりましたぁ!」
瑠衣、先程の大それたの仕返しである……
土方はその言葉に、煙管の煙りでむせ返っているが………
「橘てめぇ・・・」
「・・月詠ちゃんから聞いていますよ、副長?」
ニコリと笑い、これ見よがしのトドメの一撃。
「・・・ちっ……」
土方‥瑠衣に反論出来ず・・・・・
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