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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第28章 "謎"
「後はこの報告書を処分するだけです」
箪笥の奥底に、一応報告書を入れる、勿論後で燃やしてしまうつもり。
「処分するのですか?」
「えぇ、証拠は無い事に越した事は無いので」
「相変わらず隙が無いですねぇ」
総司は着流しを脱ぎ捨て、寝間着に着替えてる。
「はぁ…
流石に条件反射みたいなもんですから」
「全く、本当に瑠衣には適いませんね」
「総司ぃー!」
「クスッ、私としてはどの瑠衣も同じですよ?」
と、ニッコリと瑠衣に笑い掛ける総司に適わず…
「…馬鹿…………」
瑠衣も着替えてさっさと布団を引いている、意外と着替えてる姿は見せず、素早く行動しているのが総司に取っては少々惜しい。
「どの瑠衣も、瑠衣は瑠衣でしょう??」
「はぁー
まぁ‥それはそうですが…」
瑠衣に引いて貰った布団に寝転がって、ニコニコ笑っている総司、本当にこの笑顔がくせ者…
「自分も総司には適いませんね…」
同じく自分の布団に座る瑠衣、こうなると此方が弱いのは何時もの事。
「そう言えば…
報告書騒ぎで忘れていましたが、もしかしたら近々大阪出張あるかも知れません」
「大阪ですか?」
「えぇ、言いにくい話ですが…
前の遺恨‥ですかね…」
大阪…
何かあったか??
瑠衣は慌てて自分の記憶の中を漁って見る。
「今、山崎さんが内偵に行って居ますが、証拠を掴めば山内を…」
「あぁ…!
与力山内ですか…
納得です」
「瑠衣は察しが良くて助かります…」
あまり言いたい話では無い、組の為に暗殺紛いの事をする訳になるのだから。
「総司とですか?」
「はい、多分そうなります」
与力山内暗殺はそれなりに有名な話…
確実に本決まりになる。
確か‥暗殺部隊は色々な説があり"誰が"の確証は無い。
ならば自分が付いても問題はないだろう。
「たまには二人でね……」
「総司…
別に遊びに行く訳では無いでしょう」
「分かってますよぉ」
総司は起き上がり、瑠衣を抱き締める。
「…本当に抱き癖付きましたね……」
「瑠衣限定です」
相変わらず総司の温もりが心地良い。
「自分まで馴れてしまいました…」
徐に総司の腰に手を回す。
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