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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第28章 "謎"
「そんな事…ある訳ないじゃ無いですか…
何があっても…私には…瑠衣に変わりは居ないのです、他の誰でも駄目なのです…
瑠衣でなければ…意味が…無いのです…」
「私も総司でなければ意味が無いです…
どんな仕打ちを受けても‥総司がいるから耐えられる……
総司だからこそ、私は私で居られるんですから…」
そっと総司の胸から顔を上げ総司の顔を見て、優しくニッコリ笑う。
「…瑠衣……」
「私は大丈夫、大丈夫です総司…」
逆に総司を抱き締める、総司を安心させる為に、不安を少しでも分かち合う為に………
瑠衣の胸に顔を埋めて、総司は瑠衣の背中にゆっくりと手を回す…
「瑠衣…私は……」
「何も心配は無いですよ総司…」
"トクン…トクン…トクン…"
瑠衣の心の蔵の音が聞こえる、今現実に瑠衣が此処に居る事を実感出来る音…
総司はその音に耳を傾け、安心したように聞いている。
「私は此処に居ますから…
心配しないで……」
総司の背中に手を回し、自分は総司の広い肩に顔を付ける。
お互いの音を確かめ合うように、抱き合う総司と瑠衣。
「総司の側に居ます…」
「…えぇ…」
お互い瞳を閉じ、心の音だけを聞いている…
"トクン…トクン…トクン…トクン…トクン…"
どれくらいそうしていたのだろう…
お互いの心が一つになってる感覚になる。
別に一つになるのは体だけでは無い、心だって一つになれる…
そう瑠衣は教えてくれているようで……
総司の心が温かくなる。
多分、不安なのは瑠衣も同じな筈なのに、何時も自分を優先してくれる。
「…瑠衣…」
総司は瑠衣の胸から顔を上げて、優しく瑠衣の頬に口付けを落とした…
「…」
瑠衣もゆっくりと総司の方を見る…
そんな瑠衣に口付けする総司、触れるか触れないかくらいの優しい口付け……
「・・・
瑠衣が欲しいです…
心も…体も……全て………」
それに瑠衣は優しく笑う。
「私も……」
もう一度二人は口付けを交わす、今度は離れないように、お互いの唇が重なり合う。
何度も角度を変え、ドンドンと深く深く重なるように激しさを増していく……
「んっ…はぁぁ…そう…じ…」
「はぁ…瑠衣…んっ…」
溶け合うように互いの舌を絡め合い、一つになろうとするように深く……