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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第28章 "謎"



「何かこう‥随分辺鄙な場所ですね…」


早朝、総司と瑠衣は神社に向けて、京の外れの小道を歩いている。


「とても神社があるようには見えないでしょう?」

「ですね……」

周りは畑、殆どあぜ道のような不安定な道を進んでいるのだが…

まぁ、屯所のある壬生だって、回りは全て壬生菜畑という田舎だったりするので、この場所をどうこう言える筋合いでは無い。


暫く進むと、あぜ道から石畳の普通の道に出た。


「こんな所に整備された道ですか…?」

「私も驚きましたよ」

一本道なので、ただ道なりに進む…

その内に、神社の鳥居が見えて来た。


「…!!!」

瑠衣は神社を見て少々驚きを隠せない。


「邪気封じの結界…」

こんな辺鄙な場所にある神社に結界があるとは…いや、こんな場所だからこそ残っているのか?

二人は境内に入って行く・・・




一見普通に見えるが、本殿の建て方が微妙に変だ…
それに周りの灯籠に見せかけている石…
何かが絶対に違う……

瑠衣は神社の中をよく調べて見る事にした。


まずは灯籠から一つ一つ調べていく……


(何もなさそうに見えるが、全てに仕掛けが施されいる)


結界であったり、攻撃系の術式が刻まれたり…
こう‥不自然に神社を守るように灯籠は配置されてる。


「そういえば総司、此処の神主様は?」

「あー
確か‥お爺さんが一人居ました」

勝手に本殿に上がる訳にもいかない…
神主様を探すか。

人気を探して気配読みをして見るが…


「・・・・・」

気配読みを霧散する術が働いている…
何なんだこの神社は!?


気配読みが出来ないならば、正攻法で行くしか無い。

瑠衣は仕方がなく、本殿横の神主様の居住用の屋敷に入った。



「すみませーん」

玄関先で声を出して、少しだけ中を覗く。

此方は至って普通の造りの屋敷で、時代的に本殿より遥かに新しい。


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