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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第29章 "策"
空の結界陣の絡繰りは分かった…
だが、破壊する前にまだすべき事がある。
結界陣を作り上げたのは宋永輪と見て間違いないだろう、ではその目的は??
それに宋永輪に付く女忍……
もう"目"の役割は果たさないだろうが、厄介な存在には変わりはない。
何度も自分を罠に掛け、振り回してくれた…
その分の礼と、永輪の目的を聞き出したい。
しかし、力に任せて聞こうものなら術が発動し、使い物にならなくなる……
「どうするべきかな…?」
自室で報告書と書類整理をしながら(今日は瑠衣担当)、筆を回して考え込む。
(何か良い策は無いか…)
此処は冷静に考えを巡らすほうが得策だ…
結界陣も三つ破壊され、不安定になっているのでは無いか?
ならば術石の確認に、あの女忍が出て来るのではないのか??
外の術石に余り意味は無い、問題は街中の残り三つの術石…
後一つでも破壊されれば、結界はかなり危険な状態になるだろう。
(先に一つ破壊するか?)
別に一つならば順番はどちらでも良いのだが…
だけど、やはり憂いは断ってから破壊したいのが本音。
(それに…
どうやって白状させる?)
力も多分‥拷問も駄目だろう…
現代ならば簡単に自白剤なんかあるが……
(ん?
無ければ作れば良い??)
自白剤の成分は頭にある、だが今の日本に無い薬物も含まれている。
瑠衣は別の紙を用意し、他に分からないように、英文字で必要な薬草薬物を書き出していく。
「やっぱり二つ程足りないか…」
この国では絶対に採れない薬草が二種類…
でも、外国では意外に普通に使われている物。
「うーん……」
瑠衣は自分で書いた一覧を見ながら悩む。
外国の流通か…
どちらかと言えば、海外貿易は倒幕側が多い。
「………あれ??」
一人‥佐幕も倒幕もお構いなしの人物が居た!!
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