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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第29章 "策"



(…夫婦喧嘩か……)


自分には縁が無い…

自分では、夫婦も家族も何も総司には与えてあげられない……

羨ましいような切ないような瞳で、才谷とお龍の夫婦喧嘩を見ていると…


「橘、すまんじゃき、さっこっちじゃ…」

「あ…
はいっ……」

つい、仲の良い二人に見入ってた瑠衣は、才谷に引っぱられて二階の奥の部屋に上がる。

宿屋にある普通の部屋…
ただ、隠し扉があるが……


「槙太郎と以蔵は何処いったんじゃ??」


(中岡槙太郎に岡田以蔵…)


どちらも坂本竜馬を語る上で欠かせない人物…


「・・・
才谷さんは、京に出て来て何をしているんですか?
確か、この辺りは危険と聞いた事がありますが??」

瑠衣はとりあえず大刀を抜き、座布団に座る。


「なにかのぅー
なんでも屋が一番あってるぜよ…」

「なんでも屋?」

才谷も向かいの上座の座布団に座った。


「そうじゃき、小間物から船まで、なんでも売っておる、外国は広いぜよー!」

見て来たかのように、とても楽しそうに才谷は語る、いや楽しいのだろう。


「外国ですか…」

これが今回の話の本題なのだが……


「外国は広い…
この国など飲み込む程にの……
じゃが、夢もあるき、見たことも聞いた事も無い物が外国にはいっぱいあるきにのぅ」

「…夢‥ですか」

「おまん、夢はないじゃきか??」

才谷は不思議そうな顔をして瑠衣を見る。


「自分の夢は本当に小さいものですよ…
大切な人をずっと守りたい‥それだけです」

「じゃが、その夢なら叶えられるんじゃ無いじゃきか?」

才谷の言葉に、瑠衣は少しだけ首をすくめた。


「普通ならば…
ですが自分には許され無いので‥やはり夢です」

「何か若いのに苦労しちょるのぅ…」

「苦労では無くそれが自分なんです、だから‥‥‥夢くらいは見たいんですよ」

「橘、おまんこそ不思議じゃ…」

その言葉に、ただ無言で笑い返すだけ。


「はいはい…
話しは此処まで、お茶と茶菓子どす」

お龍さんが入ってきて、瑠衣と才谷にお茶を出し進めて来た。

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