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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第29章 "策"


朝ー


仕込み針を取り出し、瓶の中の自白剤を塗っていく…

仕込み針は全部で三本、その内の一本でも、あの女忍に刺せればそれで良い。

自白剤の他に少量の麻薬も仕込んでいる…
刺されれば意識が朦朧とし、意志に関係なく色々話す事だろう。

それで足りなければ、煎じた自白剤を飲ませれば良い。

多少姑息なやり方だが、相手の情報を得る為にはやむを得えない…
それに、たっぷりお礼もくれてやる。

仕込み針を布でくるみ、残りの薬を押入の隅に隠す、押入には山崎から借りた忍道具一式も入っている。


(さて…
何時実行するか……
其処が問題だな…)


仕込み針も箪笥にしまい、縁側に出て寛ぐ。


もう少しで桜が咲きそう……


(花見…
出来るかな?)


そのくらいの期間は、まだ此方に居れると思う。

けど、梅雨は夏は??

多分………無理……


(総司と一緒にお祭り行きたかったな…)


瑠衣はそっと目を閉じる…

浴衣姿の総司と一緒にお祭り見物…
それならば、また女子の姿しても良かった。

自分の求めるものなんて本当に小さな事…
ただ総司と一緒いたい‥それだけ……

そんな普通の事が自分には出来ない…
だからといって、総司を愛した事に後悔は一切無い。



辛いのは自分より総司の方…
自分は戻っても総司を見る事が出来るが、総司は全て忘れてしまう。

勿論、初めてから承知の上で総司を愛した。

自分が居なくなったら、総司は普通の幸せを手に入れるのだろうか??

変えてしまった総司の未来……

だから、これから先の事は自分でも分からない。



瑠衣は朝から感傷的になり、縁側に座り桜を眺めながら、此から先の事を考えてしまう。

それは多分、総司との別れが近い‥から……

殆どの目処が立ち、後は実行するのみになって、少しの寂しさと後ろめたさが出たのかも知れない。


(後悔だけはしたくないから…)


ある思いを胸に秘め、瑠衣は縁側から立ち上がり、昼からの巡察の準備に取り掛かった。
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