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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第29章 "策"

山崎が教えてくれた屯所内の屋根裏の道を辿って、自室へと急ぐ瑠衣…
何となく総司に早く会いたい、そんな思いが心を占める。
"カタ…ストッ…"
殆ど音も無く自室に降りると、其処には眠っている総司の姿…
(あぁ…
帰って来たんだな……)
無邪気に眠る総司の姿に微笑みながらも、何時までも忍装束ては居られないので、さっさと脱ぎ始める。
片付けは朝で良いだろう…
箱の中に次々と忍装束や武器を入れていく。
全て脱ぎ捨て、一糸纏わぬ姿で箪笥から寝間着を探していると……
"グイッ!!"
「えっ!?」
突然腕を捕まれ引かれ、布団に押し付けられた・・・
「・・・
総司‥起きてたんですか?」
「瑠衣の気配がしたので目が覚めたのです」
裸の瑠衣に覆い被さるように、総司は瑠衣を離さない。
「それで…
どうでした?」
「全て上手くいきました、此でもう円月輪の使い手は居ません」
「情報も??」
「えぇ…
知りたい事は全て聞きました」
総司が柔らかく抱き付いて来る…
「本当に…
怪我が無くて良かったです……」
総司の温もりを享受しながらも、少々眠気に襲われて……
「言ったでしょう…
全力本気です‥から」
「クスッ、瑠衣の本気は怖いですからね」
「う……ん………」
眠り掛かってる瑠衣を抱き締めながら、きちんと布団に入れてあげる。
「今日はゆっくり寝て下さい、お願いならば明日聞きますから…」
「…そう…する…おやす…み…………」
余程疲れていたのか、総司の胸の中で安心したように眠って仕舞う。
(はぁ…
裸のままで……
これはかなりキツい拷問ですねぇー)
密着している胸が腰が脚が、総司の心を掻き立てる、好きな女子の全裸姿‥これで発情しなければ逆におかしいとは思う。
とは言っても、こうなると瑠衣はなかなか起きてくれない…
仕方がなく辛抱辛抱と自分に言い聞かせて、総司は半ば無理やり眠りに付いた。
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