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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第7章 "刀"
次々襲いかかってくる"鬼"を交わしつつ瑠衣は叫ぶ!!
総司はハッとして、御神刀である脇差しに手を触れ"鬼"の全体を凝視した。
「………!!」
確かに"鬼"の体の中に黒い澱みが見える…
一体は眉間、もう一体は足の付け根…
そう認識すると総司は無意識に飛び出していた!!
素早く瑠衣を追い抜かし右側に居た"鬼"の眉間に突きを一撃、すぐさま切り返しその後ろに居る"鬼"の右足の付け根を一刀に斬りつける!!
"鬼"達は次々と灰になり、水晶が二つコロンと落地面に下した。
「・・・・・・・・」
一人意味が解らず呆然としている土方…
確かに今、総司と瑠衣は一撃で"鬼"を倒してしまった…
あれだけ苦労していたのにだ!!
「とりあえず終わりましたね」
地面に落ちている水晶を拾い集め、総司の側に来る瑠衣。
「脇差しはこれが目的だったのですね…」
「はい、先に伝えるより実戦の中の方が信じて頂けると思いました」
総司は納得するしか無い‥
実際瑠衣の言う通りであるから、反論のしようがないのだが。
「おいっ!!
俺はまだ分からなねぇぞ!?」
一人話に付いて行けない土方が説明を求め眉間の皺をより深くし、二人の前に腕組みをし仁王立ちしている。
「あぁ!!
はいはい、昨日橘さんと脇差しを交換したんです」
ふと二人の脇差しを見ると瑠衣が総司の脇差しを差しているのが分かる。
「で?
その脇差しがどうしたって言うんだ??」
「私が借りているこの脇差しは御神刀らしくて、それで"鬼"の心の臓が見えたんですよ」
総司は腰に差している不思議な色をした脇差しを指差している。
「因みに、橘さんの大刀もそれに近いものらしいですよ?」
そう総司に言われて隣に居る瑠衣の抜き身の大刀をよく見てみた。
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