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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第7章 "刀"


普通の刀のように見えるが、光の加減で赤くも見える…
護神刀と言うより世にいう妖刀‥その様な類の感じがする
どちらも力ある刀だという事は確かと言う事か。

「…だがおめぇは見た限り大丈夫のように見えるが?」

確認のような土方に某か気付いたと思う。

「はい、自分の手元にある内は問題ありません」

「…そうか…なら問題ねぇ…
とにかく行くぞ…」

終わりと言わんばかりに、土方は路地から出るのに歩き出した。


(ふんっ、大当たりだが何か臭うな…
間者と言うのとは違うが、どうも胡散臭せぇ…
一応山崎に調べさせるか…)


一度冷静に戻って見れば、おかしな所が多々ある事に気づく…
元来人を疑ってなんぼの土方、それと共に天武才を持つ戦略策略家でもある。


(総司と橘、二人を軸に"鬼"を退治をさせれば、幹部と平隊士に余裕が出来るってもんだ
あいつらは"見える"のだから今までみたいな手際の悪さが無い、それに二人でも浪士相手に十分対応が効くぐれぇの腕前…)


歩きながらも次々と考えを巡らせて行く。


(妖刀らしき刀をを持ち、簡単に"鬼"の心の臓を見抜き、総司には御神刀を渡し更に腕は確か…
今までも"鬼"に関わっていたのか、朱雀様が"鬼"退治の手助けなどと言って来た所を見て、彼奴自身朱雀様と関わっている可能性が高い)


別にそれが悪いと言う訳ではない、直参橘家は会津と関わりが深い…なので有り得ない話ではない。


(では何故こうもしっくり来ない??)


話が出来過ぎてる…
そういう言葉が一番合う…
まるで、全て手の内で踊らされてるような…


(だったら、こっちも使うまでだ…)


解決しない頭の中の考えを一度隅に追いやって、大通りの平隊士と合流する…
直ぐ後から総司と瑠衣も追いついて来た。


この後は"鬼"にも浪士にも遭遇する事も無く、屯所に戻った一番隊…
屯所の門で解散となり、皆それぞれ自室に戻って行く。

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