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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第31章 "壊"


人気の全く無い街の隅に、二人は気配を殺し山内が来るのをじっと待つ。

灯りが一つ…
同心姿の侍が此方に向かって歩いて来る。

供は居らず一人……

総司と瑠衣は侍の前に躍り出た!


「・・・山内様ですね?」

総司の方が確かめる為に声を掛ける。


「いかにも…そなた達は何物だ?
事と次第に…………」


『ズシャ!!』


山内の言葉が終わらぬ内に総司は刀を抜き、山内に一太刀浴びせた。


「はぁ‥はぁ‥はぁ‥き‥貴様‥」

反射的に体を逸らしたのか、総司の一撃は急所が僅かにズレて入っている。

総司が止めを刺そうとした瞬間…


『ドスッ!!』


瑠衣の刀が、山内の心の蔵を正確に貫く。


「…うっ…」

瑠衣が刀を引いた途端、山内はその場に倒れていった。

血だまりがドンドン広がって小さな泉を作ってく……


「…先生、血の匂いが移ります、早く立ち去りましょう」

「・・・そうですね…」

血を払い刀を収め、二人は早急にその場を後にした。






何事も無かったように、吉田屋に戻って来た二人。

そのまま部屋に戻り、普通の状態を保つ‥何も無かったように。


「先生、帰りは明日一の船ですか?」

「そうなりますね」

「分かりました、そのように手配致します」

瑠衣は船の手配に部屋を出て行く。


(一撃で苦しませず…ですか…)


自分が外したと思った瞬間の一撃…
瑠衣はなるべく苦しまないように殺る。

それが、せめての情けだと前に言っていたのを思い出す。

殆どが急所への一撃…
余り残忍な殺り方は見た事は無い。


(私とは違いますね…)


自分は殺れればそれで良い、方法にはこだわらない、ただ相手が弱い為に一撃になる……それだけ…

それに暴走すれば、どんな殺り方をするか分からない。


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