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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第31章 "壊"
そうすれば水・風・大地の力も、ある程度無効化出来る。
「後自分に出来る事はありませんから…
これで最後です」
「瑠衣は‥一人で戦うつもりなのですか??」
「幾らなんでも無理です、此から先は朱雀様と共同戦線になります」
既に繋ぎは付けてある、外の術石を破壊した後は、当代様との行動になる。
「・・・そうですか…」
朱雀様が出て来るならば、自分は口を挟めない…
瑠衣と朱雀様の絆は深い。
「あっ見て下さい、日が明けて来ますよ!」
瑠衣は社の篝火以外の火を消す、御来光が綺麗に見える為だ。
少しずつ空が明るくなっていく…
其処でやっと、雲の上にいるのを実感した。
「本当に雲の上なのですね」
その不思議な景色に見入ってしまう。
瑠衣も何も言わない。
夜が明けて、雲の中から太陽が少しずつ顔を出して来る。
総司と瑠衣はその幻想的な光景を、ただ黙って見詰めていた。
後ろの社にも光が差し込む…
それに反応し、力の石も輝き出す。
この時代、富士の御来光なぞなかなか見れる者などいない…
その貴重な体験に総司は感動を覚え、神々しいものを見るように登る太陽を見ていた。
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