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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第31章 "壊"


吉田屋ー


形代と石を回収し、帰り支度をしている総司と瑠衣。


「先生、一番の船ですから、そろそろ出ないといけません」

「そうですね、帰りますよ京に…」

また、あの結界陣の中に戻る…
今度こそ、全ての術石を破壊しなければならない。

吉田屋を出て、船で京に登る。

行きと同じく景色を眺めている…
しかしその目は、決意した者のそれに変わっていた。

束の間の大阪…
もう行く事も無いだろう。

後は結界陣と、黒幕宋永輪との決着のみ!!







京に戻り屯所に戻った二人は土方に報告して、やっと大阪任務から解放された。


「では行ってきます」

昨日も寝てない筈なのに、こんな機会は無いからと、瑠衣はまた夜の京に出て行く。

土方が大阪任務の褒美に、三日の非番をくれたからだ。

総司は仕方無く、布団を二組引き一つに細工し、自分の布団に入る。


(…無理しないで下さい…瑠衣…)


そう思い眠りに着いた。




『グサッ‥グサッ‥グサッ‥グサッ‥』


上級の心の蔵を正確に狙い、"鬼"は灰になり散って水晶になる。

そのまま黒の術石に向かい、朱桜刀を振り下ろす!!


『パリーー―――――ン』


石は粉々に砕け散る。


「さて……」

瑠衣は空を見上げる…
八陣結界は消えていき、変わりに六方星が現れた。


「やはりな…」

思った通りの展開…
後は三つのみ。


「直ぐに次の術石を破壊するか??」

後ろに当代様が木にもたれ掛かっている。


「当代様がいるのでしたら、もう一ヶ所行きますが??」

「ふっ、話が早いな…」

当代様はニヤリと笑い、次の結界に向けて転移する。

瑠衣もその後を走り追う。



街中の結界の一つ…


「良いな…」

「勿論」

当代様が朱桜刀で結界を切り裂く!!


『グググ…ガァ…!!』


低級が十匹程現れ、此方に襲って来た!


「雑魚が…」

瑠衣が手を下す事無く、当代様が低級を瞬殺にしてしまっている。

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