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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第32章 "宋"
「此処だけ何故か雷も落ちず、捜索もされてない」
バツ記しの隙間に、一ヶ所どちらも空白の場所がある。
「・・・此処は…」
不思議な事に近くは全て捜索しているのに、此処だけが開いている。
それに雷も落ちて無い??
何かが変だと頭が告げる…
何故見落としてた??
いや‥入れない場所だと思い、抜かしていたのではないか?
「では、副長の言う通り次はこの場所を調べて見ます」
「今の雷と関係あるのか?」
「えぇ、あります…
宋永輪は雷を扱うそうです」
「なっ!?」
この雷が人為的!?
ならば、宋永輪を倒せば雷は収まる??
「此方も早く見つけたいので…」
方法は違えど、探しものは同じという事か…
「そうか…」
そのまま土方は考えに没頭してしまう。
「瑠衣…
行きますよ」
「あっ、はい!」
総司と瑠衣は、こっそりと土方の部屋を出た。
「副長何か考え込んでましたね…」
廊下を歩きながら、先程の土方を思う…
あの人は策略家だ、何かとんでもない事でも考えてるのでは無いか?
「そうですね、土方さん固まってましたし…
それで今夜‥は夜番でしたか、では明日でも?」
「えぇ、早い方が良いので…」
「そうですね、雷も少しずつ被害が増えてますし…」
「…えぇ……」
今は雷の音は聞こえない、雷が落ちるのは必ず夜‥多分術の性質だろう…
だが被害が出てるのは確実、早く何とかしなくてはならない。
「次こそ当たり引きたいですね…
もうこれ以上被害が広がるのは嫌だ…」
「土方さんの感は当たりが多いのですから、次こそ本命ですよ…
少なくとも私はそう思っています」
「そう‥願います…
本当に…」
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