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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第32章 "宋"
次の日の夜ー
「良しっ!!」
全ての準備を整え、後は捜索に出るだけ。
「瑠衣、今日は私も行きますよ…」
隣で総司が腕組みをして立っている。
「ですが…」
「足手まといですか?」
「いえ…
もし当たりならば、忍とか浪人とか居る筈です」
「ならば手伝えそうですね…
幸い昨日貰った符もありますし」
瑠衣は箪笥から、昨日しまった結界符四組を出した。
「仕方ないですね、はい結界石です、そのまま投げれば良いですから」
総司に結界石の袋を渡し、総司は結界石を受け取り、逆に浅葱色の隊服を瑠衣に渡す。
「…何かある時はやはりこれでしょう」
にっこり笑い、自分も隊服を羽織っている。
久しぶりの隊服、やはり新撰組には、この隊服が似合う。
「適いませんね…」
瑠衣も久々に隊服に袖を通す。
丁度腰の結界石も隠れて、一石二鳥。
それに…
やはり気合いが違う。
総司も腰に結界石を括り付けてる。
瑠衣は最後に地図を一枚懐に入れしまう。
「瑠衣、行きますか」
「はいっ!!」
流石に天井裏とはいかないので、誰も居ないのを見計らって廊下に出た。
「蔵の裏から抜け出しましょう」
「えぇ…」
こっそり廊下を歩く……と……
「たくっ…
俺は蚊帳の外か?」
土方が廊下で腕組みして壁に寄り掛かっている。
読み通り今日動く…
そう思っていた。
「副長…
やはり感が良いですね…」
「ふんっ…
伊達に副長やってねぇぞ」
「流石土方さん」
「俺も隊服持ってくらぁ」
「その心配は無いでー」
天井裏から山崎が降りて来て、その手には土方の隊服が……
「わても行くで、仲間外れは御免や」
「…それは俺もだ……」
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