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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第32章 "宋"


瑠衣は懐から八卦鏡を取り出し、結界の辺りを調べている最中。


「…迷いの術が掛けてあったんですね、結界に近づくと自然に違う場所に誘導する……」

八卦鏡は確実に、この向こうに何かある事を示している。

瑠衣も刀を抜き、総司の脇差しとは別の場所に突き立てた!


『キィ――パァ――ンッ!!』


二本の力ある刀に負けて、結界は崩壊する!!

そして霧が晴れたかのように、神社が姿を表した。



五人は頷き合い、神社に向かって歩き出す。


「!!
何者だっ!?」

浪人が二十人程、瑠衣達の行く手を阻む。


「橘、総司先に行け、此処は俺達に任せろ」

土方、斉藤、山崎は刀を抜き攻撃態勢に入っている。


「行けっ!!」

三人は浪人に向かって、此方から突っ込んで行く!


『ドカッ…ズシャ…』


斬られた浪人の血飛沫が飛ぶ、新撰組内でも実力確かな三人だ、寄せ集め浪人が適う筈が無い。


瑠衣と総司は、その乱戦の隙を付いて走り抜ける。

しかし、次に忍が二人を襲う!


「瑠衣っ!
忍相手に野外戦は不利ですっ、なるべく避けて中に誘導しましょう」

「承知ですっ!!」

次々飛んでくる苦無や手裏剣を避け、向かって来た忍だけ斬り伏せ走る……


「そういえば朱雀様は!?」

「今日は抜けれ無い用があるとかで、少し遅れますっ」


『ズシャ…!!』


瑠衣に向かって来た忍の首を跳ねた。


そのまま二人は神社に向かい、ひたすら走る・・・・・・・



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