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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第32章 "宋"
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夕方朱雀外宮ー
「久しの朱雀」
黒髪を腰まで伸ばし、日に当たって無い様な白い肌、背は朱雀より少し高い、その顔立ちはやはり人間離れしていて青い瞳をしている。
「青龍か…
何か感じたか…?」
のんびり庭園の石椅子に座っていた朱雀は、やって来た青龍を見…
「我の力を歪めて使った奴が居ての…」
青龍も反対側の石椅子に座る。
「あぁ…
承知しておる」
この間の黒い龍の事だろう。
「少々確かめたくなって出て来た」
「そうか……」
朱雀はゆっくりと瞳を閉じる、言いたい事など聞かなくても承知の上。
「別に青龍だけじゃ無いで…」
「そうだな…
我々全員が気になって集まっているのだ」
白く短い髪に所々黒髪が混じり、背は朱雀より低め、顔は相変わらず綺麗で瞳は黄色。
黒髪を肩より少し長めに伸ばし、背は一番高く顔は綺麗だが男らしい顔立ちで、瞳は白眼。
白虎と玄武である。
「四神全て揃うとは‥何かの前触れか??」
朱雀は呆れたように言う。
「前触れならあったやんか、問題は此からやろ?」
「あぁ…
人間如きが好きにやってくれる」
お気楽な白虎と、堅物玄武は意外と馬が合う。
それと同じく、変わり種の朱雀と比較的柔らかい感じの青龍が馬が合っている。
四神は意外と仲は良い。
「まっ…
我は夜になったら手を貸すがな…」
朱雀はニヤリと笑い青龍をチラ見。
「我々は、歪める術者に力を貸さなけれは良いだろう」
「そやな、それが一番や」
白虎と玄武も石椅子に座り……
京に四神全てが揃うなどそう無い事、それだけ事は重大になっているという事だ。
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