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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第32章 "宋"


「待って下さい…」

総司は瑠衣から少し離れた所で、土方達を止めた。


「総司!?」

「今、手を出せば足手まといになります。」


「「「・・・・・・」」」


神殿内部は、かなり凄い状況になっている…
黒い龍と火の龍がぶつかり合い、その手前には"鬼"が大量に結界で外に出れず張り付いている。

そして宋永輪という男と瑠衣が術式勝負と化し、互いに睨み合って一歩も引かない。

土方、斎藤、山崎はこの異常な状況に言葉が無くただ見ているだけ。

総司も気持ちは分からない訳では無いが、説明する気がしない。

四人はただ二人の攻防を見守るしか出来ないのだ。


永輪と瑠衣、お互い印を結びながら睨み隙を探している。

龍は拮抗し勝負が着かない。


「くくく…
やるな……」

「ふんっ…
お前こそな……」

瑠衣はもう一度印を変えた。


「伏して奉る…西を守護地を守護する玄武よ…力を貸し給え…大地よ我の思うよう隆起せよ…全てを破壊し我が力となれ…"」

瑠衣の真言に従い地が揺れる…
そして神殿、六方星を貫くように土が盛り上がり破壊していく。

そう‥瑠衣の目的は龍では無く六方星の破壊、乱された六方星は崩れ方陣が消えて無くなる。


「貴様ぁ-!!!!!」

「龍に気を取られているからさ…」

焦りの色が浮かぶ永輪。

「はぁぁぁぁぁ!!」

龍は永輪の力を吸収し、火の龍を捕まえ締め上げていく、水流を吐き火がどんどん弱って小さくなってる。



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